映画:デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜(監督:トッド・フィリップス)

どうでもいいがタイトルが長い。
5日後に迫った妻の出産までにピーターはアトランタからロサンゼルスまで帰らなくてはならない。しかし空港で出会った俳優志望のイーサンに引っ掻き回され、とんでもない目に遭うことになる。
いかにもデキる男のピーターはロバート・ダウニー・Jr、お騒がせ男のイーサンはコメディアンのザック・ガリフィアナキスである。このザック、普通にしていれば小太りだがわりとカッコイイといえなくもない面構えなのだが、映画の役では本気なんだかふざけてるのか判らないタチの悪い困ったちゃんを演じきっている。ホントにいるよな、こういうヤツ! と観ているうちに本気で憎々しくなってくる名演である。しかしこういうタイプは日本では人気が出ないという話を見かけたが、西田敏行だって武田鉄也だって人気あるじゃないか。誰もがヒョロ長いイケメンばっかりを好むわけじゃないんじゃないの。
観る前からこの監督は冗談がキツイからねと釘を刺されていたのだが、確かに甘くはなかったものの気分が悪くなるほどではなかった。むしろ日本のお笑いにたまにあるようなイヤらしい陰にこもったイジメっぽいのは苦手だが、多少キツくてもこういうからっとした笑いのほうが好きだ。
最初はちょっとだけ言動が行き過ぎたがために事が起き、どんどんエスカレートして終いに国境をまたいでの大騒ぎとなっていく頃には、なにもかもどうでもよくなって笑い出してしまう。2時間の映画だからできる配分なんだな。とてもいいバカ映画であった。