映画:メタルヘッド(監督:スペンサー・サッサー)

一家の妻であり母である女性が亡くなった後の、家族の哀しみと再生の物語‥‥だけど、そこに長髪にタトゥをしたいつも上半身裸のイカれたメタル野郎が飛び込んできた。というと割りと面白そうなのだが、かなり微妙な感じであった。というか、感覚的に無理っぽい。
ところでこのメタル野郎がメタルなのは、日本の学園物に出てくるアウトローが『ヤンキー』なのと同じような記号なのだろうか。私がメタルには詳しくないせいか、観ただけではそこらへんがどうもよく判らなかった。あと、こういうグレた不良タイプは画面には出てこなくとも、説明不要でドラッグをやってると解釈していいのだろうか。キチガイじみたハイテンションのときと、妙におとなしいときの落差が激しいのは、そういうことなんかな?
しかし根底からひっくり返すようなことをいうと、このメタル野郎はそもそもこの映画に必要ないんじゃなかろうか。うん、さくっと削除しても充分話は成り立つよね。家族に紛れ込んできたよく判んないヤツという設定なので、もともとお邪魔虫的な立ち位置ではあるのだけど、やっぱりコイツがいなくちゃ映画にならないというような魅力があるかってーと‥‥えーと。棺おけシーンも、奇妙な味わい‥‥なのか‥‥どうも私はここらへんのツボはツルッとまっ平らなようだ。
あと、あちこちの表現でぐちゃべちゃとウェットな汚さがあって、それも少々うへぇとなった。前に見た『メアリー&マックス』のときも感じたのだけど、なんかそういう流れがあるんかいな。