映画:ダークナイト ライジング(監督:クリストファー・ノーラン)

“伝説が、壮絶に、終わる!”

こんな煽り文句にふさわしい3部作の最終話であった。165分という長さだけど、前作の『ダークナイト』(152分)よりも更に短く感じた。
途中の展開は米軍の置かれた状況だとか武力についてだとか世相を反映しているのかななどと考えたりもしたのだけど、そんな諸々が我ながらなんて詰まらない観方なんだろうとも思った。いろいろ考えられるから面白いという面もあるけど、ここは素直にフィクションとして楽しめばいいじゃないか。それくらいの勢いである。繰り返されるモチーフはバットマンらしさだし、苦悩の末に辿り着く答えには、実は選択肢はそうなかったんじゃないか。アン・ハサウェイの動きや抜群のプロポーションのすべてを引いて撮らないことへ欲求不満の声も上がっているようだが(気持ちは判る)、逆にすばしこく見え隠れする猫の感じや謎めいた印象が残ってよかったんじゃないかしらん。猫耳も可愛かったし。
音響も素晴らしく、これ以上ないほどの最高の終わり方であった。