思い出話

以前、友人から「色即是空ってどういうこと?」という短い質問メールを貰ったことがある。
どういうことって、どういうことよ。
それが判ったら、あたしゃここにはいないよ。と思ったが、何度かやり取りをして、最後に「日本語に訳せば”あるものはない、ないものはある”だよ」とまぁ、有無がなんなのかをすっ飛ばして返信したところ、それきり返事が来なかったことがある。
彼の中で、どういう結論が導き出されたのか、少し気になる。多分「コイツに訊いても、判ってないな」と思ったんだろう。
ああ、判っていないさ。判っていないことは判っている。
更に判っていないのは、彼が聞きたかったのは、「色即是空」にまつわるどの部分だったのかということだ。何を考えて訊いてきたのか。シッダールタの生い立ちや、その頃のパーリ語圏の政事文化の情勢から話して欲しかったわけではあるまい。
どういうことって、どういうことよ! と惑う私は、まだまだ修行が足りんのじゃろうて。