風車の話/伝聞/うろ覚え

風車発電はほとんど経済的にはペイしない、という噂が確かあったような気がする。設備投資に対して、売電金額が見合わない。軽い風でもよく回る風車も開発されているし、気象台のデータと機器の能力をつき合わせて検証すれば、結構いいセンいけるはず、という試算も出てくる。でも、実際建ててみると、思ったほど回らない。何故かというと、建てる場所に実は問題があることが多いのだそうな。
風は障害物のない開けた場所では、弱まることなく吹き渡る。だからデンマークのような平坦な地形には向いている。
しかし日本は凸凹している。この場合、平らな海を渡ってきた風が陸地のでっぱりにぶつかってエネルギーを減らす前に風車に当たることができるよう、海岸沿いに建てるか、もっと上空の風を狙って山の天辺に建てるかすれば、効率はよくなる。
しかし、自治体や第三セクターで事業を行う場合、効率よりも土地活用計画のほうが優先されることが多いのだそうだ。ここに建ててもらわなきゃ困る、他に建てる場所がない。
しかしペイしないといっても、それは設備投資に対して利益は出ないという話なので、まったく電力を生み出せないわけではない。お題目によっては損しても建てるべきってこともある。
でもね、風車って意外とうるさい。近隣住民から苦情が出て、せっかく建てたものの羽を固定してしまったところもあるんだそうな。


この話を聞いたとき、村上龍の「希望の国エクソダス希望の国のエクソダス」を思い出した。
大人の都合を見限った国で、たくさん並んだ風車の風を切る音が、ずうぅっと充満しているんだよね。