七夕ですよ

東北三大祭のトリを飾る仙台七夕。期間は八月の六日から八日で、五日の夜、前夜祭の花火大会が催される。
最近は盛り上げるためのイベントも数多くなってきたが、基本的に七夕はお飾りを掛けるだけの祭りだ。勇壮な山車が練り歩くねぶたや力技で魅せる竿灯と比べ、七夕は見る側が動かねばならないという、なんとも「カバネヤミ」*1な祭りである。
地元ではお飾りそのものより、実は前夜祭の花火のほうが盛り上がる。東北の短い夏、毎週のように何処かしらで花火はあがっているが、やはり七夕の前夜祭は別格で一番玉数も多いし屋台も派手だ。
 余談だが、福の神・仙台四郎は幕末〜明治に実在した人物で、実家は芳賀さんという花火屋である。落語の師匠ではない。もちろん、今でも店は健在だ。
私は何故か花火が大好きだ。花見には行かなくても、花火には行く。芋煮はしなくても、花火は見る。夜空にドカンドカンと威勢よくあがるのを見ていると、どうしてか涙が出そうになる。上を向いているので、こぼれることはないけれど。
なんにしても、花火はその場にいなくては話にならない。派手な連発や際立った大玉があがる度に、群集から自然発生的に「おお〜ぅ」という嘆息や拍手があがるのが好い。この臨場感が大事だ。





七夕飾り。飾りを供出する商店街の方々が、ボランティアの手を借りてすべて手作りで作る。それぞれくす玉の意匠を競う。


 本番まで待機中。ビニールを被っている。
 こうやって手入れをするのだ。


市街中心部の直交した二本のアーケードにずらりと飾られるのだが、この通り沿いの店は、七夕の三日間で年間売上げの三分の一を稼ぐという噂もある。

*1:カバネ=身体、ヤミ=病み。方言で「病人のように動かない=億劫がる・怠け者」ぐらいの意味。