読了:エルリック7「白き狼の息子」(マイクル・ムアコック)

白き狼の息子―永遠の戦士エルリック〈7〉 (ハヤカワ文庫SF)

白き狼の息子―永遠の戦士エルリック〈7〉 (ハヤカワ文庫SF)

現代の12歳の少女が不思議世界にトリップ! という今までとはうって変わった諧謔風味控えめメルヘンタッチの冒険ファンタジーであった。大きな赤い狐さんやら喋る家やら、アリス的でエルリックにしちゃ安易なくらい読みやすい。しかしこれはこれで最初の地震のくだりとか工場に迷い込むところとか、宮崎アニメにしたら‥‥という映像が目に浮かぶようで面白かった。実は緻密で映像的なのもムアコックの素敵なところかもしれない。
しかし付け足しのようなホークムーンとエレコーゼ、これでいいのか。白い人もたくさん出てきて有難みが‥‥って、そういう問題じゃないか。あと、なにも最後にくっつかなくてもいいんじゃないの、というのもこれまた余計なお節介か。
初期の頃はエルリックのひとり勝ちというカラーだったが、だんだん周りの人がたくさん活躍するように変化してきているように思える。孤独がウリだったのに、ずいぶん仲間も増えたしね。
ところで地文で一度だけ出てきた、ムアコック一族って何?