映画:ベッドタイム・ストーリー(監督: アダム・シャンクマン)

ベッドタイム・ストーリーの掟
1.子供に語らせてはならない。
2.自分を主人公にしてはならない。
3.ハッピーエンドでなければならない。
子どもを安らかに眠らせるために語り聞かせる“ベッドタイム・ストーリー”が、現実の世界で実際に起きてしまうというファンタジー・アドベンチャー

ディズニー映画である。難しいことを考えてはいけない。ベッドサイド・ストーリーというのは子どもが寝る前に話して聞かせるお話のこと。絵本を読んだりするのもアリだが、この場合は即興の物語である。
主人公のスパーキーはホテルのメンテナンス係。甥と姪の面倒をみることになり、寝る前のひとときに適当なホラ話を始めるが、その展開や結末が気に入らないといって子どもたちも口を出す。この子たちが好き勝手に語ったことが、何故か次の日、現実になっていく。
ガムボールの雨が降るなど子どもらしい無茶なでまかせも、うまく無理のない処理をしているのはさすがという感じ。不可能そうなことがどう実現するのか見るだけでもわくわくする。
コメディに詳しい人が観ると、お馴染みの役者が出演していたり、小ネタが散りばめられているらしく、それを見つける楽しみもあるらしい。私はあまり詳しくはないのでそっち方面はまったく判らなかったが、『アホだー!』『そっちかよ!』というネタが満載で充分楽しかった。ラッセル・ブランド演じる怪しいルームサービス係が『ミッキー』って、それでいいのかディズニー‥‥。
しかし目玉の大きなモルモット・バグジーは一体何なのかなど、結局最後まで説明されない疑問もあるのだけど、お話としてはそれで別にいいんだろう。何故なら、ベッドサイド・ストーリーだからだ。細かいことに拘らない。イメージでなんとなく通じればいいのだ。
ところでこのバグジーはフルCGなのかと思ってたら、目玉以外は本物のモルモットを調教して撮影したらしい。それはそれでスゴイが、そこまで力を入れといても劇中で存在意義の説明はなされない。なんちゅーか、やってること自体が細かくシャレである。
あとついでに「燃えカス」とは「cinder」ではなく鉱滓の「slag」のほうで、これが鉱石を精製するときに出るカスのことなのだね。なるほど、それで灰ではなくパラパラっと小石のような形状になるわけだ。
全然関係ないんだが、『国一番の美人』に対しての『ミス・アメリカってこと?』という台詞を聞いたら、つい自動的に頭の中で『バァットル・ジャッパアァーーン♪』と歌ってしまった。いやあの、ギャバンとかチェンジマンとかサンバルカンとか、そういう世代なモノで。バトル・ケニアが黒くて好きだった‥‥。
エンドロールを眺めながら、ふと、そういや随分前に『バロン』って映画があったな、と思い出した。ほら吹き男爵を映画化したものであった。正直細かい中身はよく覚えてないんだが、なんとなく自由奔放な縦横無尽さから連想したのかもしれない。