妖怪のようなおばはんに瘴気を吹きかけられ、若干溶け気味である。気力を奮い起こして仕事をしているわけだが、ああいう生命力を奪う生霊を飛ばしそうな雰囲気が非常に苦手だ。げっそりする。得意な人はいないだろうが。ねっとりと冷たく絡みつくような毒気を孕んだ息をする。あれでよく生きていられるなと訝しくなるほど、肉がひんやりとしてそうな感じである。捻挫したら生肉をのせるといいというが、あれでは冷気を放ちすぎてて触れた部分がたちまち青黒く変色しそうだ。
光あれば影もあるのがこの世の理であり、近づかなければ済むこととはいえ、無視するにもあまりに恐ろしい。その目を見据えながらじりじりと後退し、充分距離をとってからくるりと踵を返して脱兎のごとく一目散に逃げ出すのだ。
光あれ。