見よう見まねでイカ捌き

男の手料理をなさる方から『イカの捌き方が知りたい』とのリクエストがあったので、超絶簡単ながら紹介してみる。ただあのー、私は母の見よう見まねでなんとなく適当にやってるだけなので、かなり間違ったやり方をしているのかもしれない。人によってはコレを見て「ちげーよっ!」と思われる場合もあるかと思われる。その際は熱烈突っ込み歓迎である。もっとキレイで楽な方法があったら私が知りたい。てか、母が見ても「私はそんなやり方はしていない」と突っ込まれそうな気もするが。
この先は【微グロ注意】なので、先にきれいな写真を載せておこう。

スルメイカ2杯分である。身は細く切って刺身に、ゲソはワタ1本と一緒にホイルに包んで20分ほどトースターに放り込み、エンペラや他の切れ端はさっと湯がいてにんにくの芽とトマトのサラダにした。あと、残ったワタの1本は潰して酒で伸ばして刻み葱と醤油と味噌を加えて刺身のつけダレにした。
2人で食べてお腹いっぱい。イカは貧乏人の味方だね!
では以下、満を持して【微グロ注意】。


私はイカに触ると痒くなるタチなので、いつもゴム手袋をして捌いている。長芋もゴム手袋着用。でも里芋は素手じゃないとやりにくいんだよね。
まず材料ですな。立派なスルメイカが半額であった。ちなみに刺身はヤリイカ、ワタはスルメイカが美味しいといわれている。種類によって墨袋が大きかったりワタが大きかったりいろいろである。

ざぶざぶと水洗いしたら、エンペラを上にして置く。あ、エンペラというのはイカのてっぺんについてる三角の部分ね。

イカの胴体とゲソのつなぎ目は一箇所だけなんである。エンペラを上にして置けば上側。そこに指を突っ込んでめりめりとくっついてるのをはがす。中身を潰さないように気をつけよう。一番硬いところが剥がれれば、全部は取れなくても大丈夫。指が届くところまでで良い。

片手はエンペラにひっかけ、もう片方の手でゲソの目玉のあたりを掴んで、ゆっくり真っ直ぐ引っ張る。


身包みはがれたスルメイカがこちらを見ている。明るい茶色の部分が全部ワタ。イキのいいイカならこのように内臓もワタもしっかりした形できれいに取れる。この時点で失敗したんでなく内臓やワタが崩れるようなら、そのイカは生で食べないほうがいい。

内臓と墨袋は食べないので、薄い膜を引きちぎって外す。内臓のほうから取ると、墨袋までついてくる。


ワタ袋の根元から切り取る。新鮮ななものならワタの中身はこの程度にはしっかりしているので、切ったとたんにでろりんと出てきたりはしない。あとで使うので、ワタは塩をして別皿にとっておく。好きな人はこのまま凍らせて薄く切ってソルベで食べたりもするらしい。美味そうなので今度やろう。


軟骨を取るのを忘れたが、ワタを抜いた後についでに胴体の筒に指を突っ込んで、掴んで引き抜いてもいいと思う。たまに千切れたりもするが、まあ、細かいことは気にするな。
刺身にするなら身を開いて皮を剥くわけだが、今回はエンペラを引きちぎる。そうじゃなければこの際、エンペラがくっついてるところからばっさり切り落としてもいいんじゃないかな。


エンペラを引っ張ると、皮がこのようについてくるので、あとで皮をむくのが楽なのだ。たまに身もくっついてきて胴体に穴が開いたりもするが、まあ、くよくよするな。くっついてきた皮だけ切り落として、エンペラはエンペラでとって置く。

適当に身を開き、皮をむく。皮は胴体の裾のほうで強力にくっついているので、下のほうを切り落としてしまうのも手だ。端っこをしごいて摘めるくらいめくったら、ゆっくり胴体の下から上に向かって引っ張る。途中で千切れたりもするが、まあ、頑張れ。たぶん布巾で水分を取りながらやると、少し楽なはず。

あと、身を開くと内臓の残りがちょっとくっついているので、刺身にするなら取っておいたほうがベター。食べられない部位ではないので、火を通す&気にしないならその方向でGO。

水洗いしてこれで胴体の下ごしらえはおしまい。
次にゲソである。切り株切り口を下にして足同士を繋いでいる輪をちょん切るように包丁を入れる。目玉は切るとエライことになるので避けよう。

切れ目からぶちぶちっと開いて強引にひっくり返すと、目玉が裏から抜けてくる。目玉を潰すとエライことになるので気をつけよう。

そしてこれがカラス、いわゆるイカのクチバシだ。適当に引きちぎる。硬い部分は食べられないが、その周りの筋肉は美味しいので分けておこう。あと、目玉は食べない。


このあたりにはそのほかにも筋肉と渾然一体となった軟骨のような硬い部分があるので、指で探ってちぎってしまう。

イカの吸盤には鱗のように硬いパーツがついているので、それを包丁でこそいで取る。しかし魚の鱗ほど周りに飛び散ったりはりついたりの始末は悪くないので、適当にガシガシやっても大丈夫。

ざっと水洗いして、下拵え終了。これで1杯分である。私はエンペラの皮をむくのが面倒臭くて、いつもこのまま食べてるんだが、うまく剥く方法があったら教えてください。