丸いモノリス

涼しいということはなんて素晴らしいんだ。東北育ちのスイッチが入るようである。暑いのもひと月ほどならば機能停止してやり過ごせないこともないのだが、それを超すと脳細胞の死滅が始まる気がする。終わりの始まり。明け方など寒くて目が覚めるのが夢のようである。夢の続きかもしれないが。ビバ、暑さ寒さも彼岸まで。
夏の間は分泌物がベロベロのヨレヨレで日焼けしやすい体質もあって化粧もクソもないのである。ただでさえ純粋な日本人だと認識されにくい上に、額が丸いのでどこかどす黒い宇宙人のようになっている。黒ずんだしゃれこうべに髪の毛が残っているような有様を思い浮かべてもらえばいい。鏡を覗き込みながらなんだろうこの物体は、と怪訝な気持ちになる夏の終わり。四角かったら文明を目覚めさせることができるかもしれないのに、惜しいことである。