馬車馬の末路

怒涛の残業に目途がつき、ようやく帰宅後のひとときがのんびりしてきた。ちゃんと自炊してゆっくり風呂に浸かり溜まった家事を消化して、身も心もすっきりである。
残業続きだった反動で、こうとくると心の底からしみじみとのんびりを満喫したくなる。有効なくつろぎ時間をなるべく引き延ばすために、会社がひけたら寄り道せずに一目散に家に帰り、帰ったらもちろん寝るまで1歩も外に出ない。夕飯の買い物もなるべくせずに済ませるために、ここ最近は食料も日用品ももっぱら通販に頼っている。ネットショップは出不精体制の強い味方だ。平日は受け取れないので週末にまとめて配達してもらう。トイレットペーパーが切れたためにわざわざ買いに出る羽目にならぬよう、在庫管理として消耗品は消費ペースを掴んで適宜前もって発注せねばならない。
炊事も効率よくするために段取りを組み、多めに作って余った分は保存し次回に使い回す。ここで調子に乗って余計に手間が掛かるような保存食には手を出さないのが肝要だ。誘惑は多いがあくまでも狙いは効率化である。風呂を沸かす間に作って食べるところまでを同時進行し、時間コストはコンパクトに収めるようにする。ちょっとした合間に洗濯物を畳み、茶碗を洗い、独楽鼠のように片付けものをする。欲しがりません、休むまでは。肩を組んでのんびりを目指そう。キミはあの余裕を見たか。達成しよう、心の平安。そうした戒厳令を敷いて勝ち取った短い時間は、しかし哀しいことに瞬く間に過ぎ去ってしまうのであった。


冗談はともかくのんびりモードにも名残惜しいが、そろそろ注文のマフラーに取り掛からねばならんかな。冬が終わる前に出来上がらなかったら哀しいもんな。

作った編み図の一部、ブルースさん。