今年読んだ本ベスト3

本もベスト3でいく。


第1位:『ギルガメシュ叙事詩』矢島 文夫 (翻訳)

ギルガメシュ叙事詩 (ちくま学芸文庫)

ギルガメシュ叙事詩 (ちくま学芸文庫)

荒削りだけども異様な力強さがある。原初のスープと聞くとつい、ぬるくて黄色がかった透明で少しとろみと塩気があって青臭いような風味がついていて、飲めば身体の奥から力が湧いてくる滋養豊富な薬膳スープを思い浮かべてしまうのだが、そういうイメージに近い。なんだか生命力に満ち溢れているのである。
(感想:「2013年04月26日(Fri) 『ギルガメシュ叙事詩』矢島 文夫 (翻訳)」



第2位:『 T・S・スピヴェット君 傑作集』ライフ・ラーセンパウロ コエーリョ

T・S・スピヴェット君 傑作集

T・S・スピヴェット君 傑作集

子どもがペダンチックなところに賛否両論はあるのだろうけども、天才児でもやっぱり子供なところは子供らしくて非常に愛らしいのである。お父さんに対する複雑な感情が救われているところもいい。ジャン=ピエール・ジュネで映画化されているらしいので、公開が楽しみである。
(感想:来年書きます)



第3位:『一万年の旅路―ネイティヴ・アメリカンの口承史』ポーラ アンダーウッド

一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史

一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史

ネイティブアメリカンの一族、イロコイ族の口承史を文字に起こしたものである。読んでみたらタイトルの1万年は控えめな表現だった。当然ながら口伝と銘打っている以上、伝える側の主観や歴史の中でいかようにも変遷しうるというのが前提であり、それがエクスキューズにもなり得るわけで、そのまま真に受けるのは如何なものかというのは判ってはいる。判ってはいるけども、話が「えぇぇ?!」という方向に広がっていく様が面白い。あと、これはなんだ比喩表現なのか? という常ならぬ記述が私の中の小学生部分を刺激する。ネアンデルタール人がねぇ‥‥。
(感想:来年書きます)