運動事始め

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(長い)はやはり効いているようで、自然に細かい家事に動けるようになって、自然に2日にいっぺんくらい風呂に入れるようになってきた。毎日は無理。まだ無理。あまりに自然に底上げされるので体感的に薬のお蔭という感じがしないのだが、漢方薬って効くときはこういう効き方をするのだよな。たぶん病的に寒くはなくなったかも。
そうこうしているうちにとうとうずっと寝ていると気持ち悪くなるようになってきた。人間、起きて動いているのが自然らしい。ここ2、3年くらいは仕事以外は半分寝たきりのセルフネグレクター化していたので、決定的に運動不足で心肺機能が弱っている感じがする。心肺機能を向上させるにはちょっと息がきれるくらいの運動をするしかないんだよな。
簡単なのは走ることだが、正直ほぼ寝たきりだったので急に走りに行って戻ってこられる自信がない。うちのまわりは横浜らしく急峻な坂だらけで上級者向けの地形なのだ。んじゃ、気分を変えてあれか、縄跳びか。その場でできるし飽きたらすぐ止められる。

f:id:paseyo:20210201115321j:plain
どうせならかっこいいほうがモチベも上がるだろ、と革製の跳び縄を買った。しかしこの革紐は意外と軽くて堅く、折り跡がついてそれがなかなか伸びない。柔らかくなるよう革用のミンク油を塗りこんでみた。
夜、人影がなくなったころを見計らって外に出た。おそるおそる跳び縄の持ち手を回してぴょん。縄跳びなんていつ以来なんだろう。びょん。中学校でやったっけ。びょびょん。ひょっとして小学生のとき以来か。びしっ。なんで後頭部に縄が当たるのだ。ぴょん。いやけっこう効くとは思ったけどマジで‥‥びょん‥‥キツいなこれ。びょん。10分も‥‥どたっ‥‥跳べないぞ‥‥ばたっ‥‥これ‥‥うぐっ‥‥けっこう‥‥息が‥‥きれ‥‥。
10分間頑張った。初日だし膝も腰も堅いし息切れしてるし、短時間で身体が物凄く重いし動かないのが嫌という程わかった。人間、1回2回ならまあまあ跳べるが、「続けて跳ぶ」の運動量をナメていた。人様に見せるのが目的ではないとはいえ、限度がある。あまりに不様すぎてしばらく人気のない暗い公園でしかできないな、こりゃ。

適正は「何を我慢できるか」だ

最近は社内であんまりやらない仕事が立て続けに回ってきたので、ちまちまと調べながら図面を描いている。専門でやってるとこは社内で使い回してるExcelファイルがあるんだろうが、こちらとら計算式があるのは知ってるけどまとまった量をこなすことがなかったやつなんかは、仕方ないので自前でExcelを組む。こういう地道な作業は案外キライじゃない。どちらかというといちいち細かく計算したくない気持ちが強いので、ガッチリ計算式を組んで条件となる数字を入力すればズババッと表が埋まっていくのを見るのが気持ちいい。やったー、答えが出たぞー。え、マクロ? うん、マクロは触らないことにしてるから。*1
業務ってのは年々微妙に変化していくので、意外とこういうのは経年劣化が激しいのだ。いっぺん組んだら終わりではなく、使う人がメンテナンス出来るようにしておかないとちょっと合わなくなったら全部が使えなくなってしまう。セルに名前を付けるぐらいなら紐解きようもあるが、マクロまでいくとイチから作り直した方が速い。ましてや保護をかけちゃってパスワードまで設定しているなど言語道断である。Excelの表の作り方なんかネットで調べればいくらでも出てくるものを、著作権でも主張する気か。自分が便利なように個人的に作っているものでも、社内で使いたい人がいればバンバン渡すし、放流するならすべてオープンにしてあとは好きにしろと言いたい。むしろやり方を教えるならともかく、つまんないもんを抱え込んで専門のメンテナンス要員になりたくない。そっちの方が面倒くさいし、きっと私なんかよりもっと上手くやる奴も出てくる。
そんなこんなで青筋をたてながらガリガリ組んでいると、上長がチラッと後ろから画面を覗きこんで「CADといい、そういうのが好きなんだね、変態だね‥‥」と呟いて去っていく。いや待て。誰が変態だ。

*1:弊社のような中小企業は業務のフローが全部「担当:自分」なだけで、扱う物件数はそんなでもない。Excelだけで完結する同じ作業を繰り返すってことがないのだ。

時間があると何をしたらいいかわからない

最近は現場ではなく設計仕事なので、エンドレスには違いないが厭になったら帰ったりしているので、意外と時間がある。帰ったらとりあえずご飯を作って食べる。ただこれだけが生命活動に必須なものだけを残して削ぎ落としていった結果のルーチンとなっている。平日には自炊とゴミ出し以外の家事は一切しない。買い物はおうちコープで1週間分買い溜め。強い意志を以て買い物には行かぬ。掃除も洗濯も休みの日にしかしない。週に1度だけ洗濯機を回すために、下着からトップスまで数を揃えて運用しているのである。
かように忙しい時期に合わせた生活形態となっているので、時間が余ると何をしていいのかわからない。いつもは手が回らないところの掃除でもすればいいじゃないかと自分でも思うのだが、やる気にならない。このやる気のなさが不調を如実に物語っているようなので、特に無理もせず、寝てしまう。ややもすると平日だというのに8時間くらい寝ている。気が向くと残業しているので、週の半分くらいだが。
しかしこうなると仕事以外の私的な時間は食べる以外は寝ていることになる。逆にいうと意識のある時はだいたい食べ物のことを考えている。ヒトとしてこれでいいのか。飼われている犬猫鳥*1だって食べる以外の楽しみを多少は持っているのではなかろうか。
楽しいこと。楽しいことか。布団に潜ってスマホでweb小説は読んでいる。これが楽しいかというと微妙ではある。もちろん面白いと思いつつ読んではいるしこれはweb小説がどうという話ではなくこちらの問題なのだが、昔に寝る間を惜しんで本を読んでいたときのような刺激的かつ能動的な楽しさではなく、どちらかというとひとりになれる時間の演出というか、活字を追う癖の残滓のようなものか。物事に嵌るにも元気が必要なのである。
動けない人間ではないのは既に知っているので、それでもなお動けないのなら調子が悪いのである。やる気は元気のバロメーター。どうせやる気になったら時間があろうがなかろうが突っ走る。気にしても仕方がない。それにしてもこれだけ不調を振りまいていても仕事だけは出来るのがよく訓練された社畜だよな。身ひとつで生きている庶民にとって、金の切れ目が生命の切れ目だからそうなるのもむべなるかな。働くために休まねばならぬ。じゃあ寝るか。(始めに戻る)

*1:猪鹿蝶のリズム

とりとめのない話

結局、漢方薬の当帰芍薬散は合わなくて、いまは当帰四逆加呉茱萸生姜湯(長い)に切り替えている。続けて飲んでいるうちに、前の薬効と混ざり合って何がどう効いてるんだか効いていないんだかわからなくなってきたので、年が明けてから1週間ほど全部休んだら、やっぱり背中と腰の間が痛くなってきたので再開した。四逆散は専用の証があるとかで、それが胸脇苦満というのだが、つまり肋骨の一番下のふちに沿って腹を押すと痛いらしい。え、普通の人は痛くないの? それと当帰四逆加呉茱萸生姜湯(長い)の証は鼡径部を押すと痛いとか。え、普通痛いでしょ? 混乱した私は試しにそこに転がっていた熊の腹を押して怪訝な顔をされた。
新型コロナの蔓延と家の事情が重なって、今年の年末年始は基本的に大人しくしていた。毎年恒例のカピバラ詣でも本当は温泉宿に1泊しようとしていたのだが、諦めた。なにしろそもそも論として休み自体が少なくて金の問題じゃないという感じなので、gotoがあろうがなかろうがあまり関係はない。いままではちょいちょい外食もしていたのだが、ここにきての陽性者数をみると7日間で人口2500人につき1人くらいの割合になっているので、無症状や極軽症で本人も気づいてない人のことを考えたらもうそこらへんにいると思った方がよさげ。というか自分自身、絶対に持ってないかといわれたら自信はない。こうなったら頭を低くして嵐が過ぎ去るのを待つしかない。
といっても、仕事はテレワーク出来るような代物ではないし、水が漏れてると言われたら客先に行かないわけにもいかない。準インフラ関係なのでそこはもう諦めているが、因果な商売である。でもみんな大変で喧々諤々してるしなぁ。できることを粛々とやるしかないか。あんなのはいっぺん罹ったら充分だしな。しかし緊急事態宣言が発令されても去年の春と比べると人通りはだいぶ多いね。あのときは人が一瞬にして消えた幽霊船の街バーションかと思ったもんな。

加湿器を買った

前の加湿器の電源が入らなくなったので、速攻で捨てた。そして関東の冬には加湿器は必需品なので代わりのものを買った。

f:id:paseyo:20210114114540j:plain

最近話題になっているまるで電気ポットのような象印の加湿器は小さい方でも消費電力が湯沸時985Wとなかなか思い切った仕様なので、30A契約のウチのような狭小集合住宅住まいにはちと厳しい。しかし加湿器1個でほぼ1kWか、凄いな。

ちなみに、アンペア (A) × 電圧(V)=消費電力(W)で、日本の家庭用電圧は100Vなので、単純に消費電力÷100でざっくりどれくらい使えるか計算できる。常時使用する照明・冷蔵庫で500W~と覚えておけば、あとは主な家電を足し上げるだけである。同時に使いそうな家電、例えばエアコン9A、食洗機が12Aと掃除機が7Aなら、それだけで契約の30Aオーバーなのでうちでは容量を超えることになる。(それ考えると掃除機も充電式のほうがいいのかな~)プラズマテレビも意外と大きいよ。もちろんモノによっては立ち上がり時に一番電力を使うとか、状況に応じて消費電力に波があるとかいろいろあるが、それはそれ。あとファミリー向け世帯だと契約アンペアがもうひとつふたつ上の場合が多いし、一軒家だと単相200Vを入れているところもあるよね。

それはともかく、お手入れ簡単な似たような作りのものが他メーカーからも出ていたので、その中から山善のものを購入した。こちらは最大消費電力350Wと安心お手頃だ。沸かすのに少々時間がかかったところでひと晩つけっぱなしなので寝ている間に蒸気が出てくれればいい。使い方もON/OFFと強/弱の切り替えだけのシンプルこの上ない感じで、実際こんなもんでいいんだよな。数字で湿度が知りたいかというと、そこまで管理する要もない自宅では肌感覚で充分だ。

あと黒いの。いままで加湿器といえば白っぽかったので、黒いのがちょっと新鮮だった。

f:id:paseyo:20210114114608j:plain

 

2020クリスマス料理は自家製コンビーフ

やってきました恒例ネタ料理の季節クリスマス。今年は手作りコンビーフだよ。

f:id:paseyo:20201229171257j:plain

コンビーフとは
塩蔵した牛肉を缶詰にしたもの。古くは粒状 (コーン) の粗塩を用いて塩蔵したのでコーンビーフ corned beef (塩蔵牛肉) と呼ばれる。原料肉としては良質の牛肉を用いることは少く,おもに老廃牛の肩部,頸部,胸部などの中等以下の肉を用いるのが普通で,これらの原料肉から大きな腱などを除いて適当な肉片に切断し,ハムの製造の場合と同じように食塩,硝石で血しぼりを行う。次いで,塩漬を行い,水洗後,約 20~30分間煮沸し,放冷後,肉片を缶に詰め,密封後加熱殺菌する。脂肪が比較的少く,結合組織がよくゼラチン化しており,凝固した肉片の大きいのがよい製品とされている。

コンビーフとは - コトバンク

f:id:paseyo:20201229171249j:plain
アメリカなどで作られるのはブリスケットという前脚の間の肉を使うことが多いらしい。日本では通販ならともかく、そこらのスーパーではあんまり売っていないので、800gちょっとくらいのバラ肉塊を買った。

f:id:paseyo:20201229171254j:plain
強めに塩をまぶしてキッチンペーパーで包んで、冷蔵庫でひと晩置く。

f:id:paseyo:20201229171301j:plain
次の日にざっと塩を払い落としたら、強め塩水をベースにいろいろスパイスをお好みでぶち込んでひと煮立ちさせた調味液とタマネギセロリりんごのすりおろしを肉と一緒にビニール袋に入れて、口を縛って4~5日漬け込む。

f:id:paseyo:20201229171305j:plain
1~2日ごとにビニール袋をひっくり返しながら塩漬け熟成した肉がこちら。ざっと流水で洗ってこのまま煮込む。

f:id:paseyo:20201229171310j:plain
今回は土曜の夜に食べる予定だったので、まず金曜の朝に30分くらい煮て、夜にまた1時間煮込み、土曜の朝にもひと煮立ちさせ、食べる前にもぐつぐついわせた。

f:id:paseyo:20201229171313j:plain
だいぶ縮みましたな。

f:id:paseyo:20201229171317j:plain
まな板にあげたら脂肪の層から分かれた。

f:id:paseyo:20201229171320j:plain
包丁を入れると切れる前にほろほろと崩れそうだった。

f:id:paseyo:20201229171325j:plain
はい、今年のクリスマスディナーの出来上がり。繊維に添って崩れるのに繊維自体には弾力があり、そこに肉の味がぎゅっと凝縮されているようで、噛めば噛むほど旨みが出くる。
800gもあったので多いかなと思ったのだが、煮込んだら縮んだのでそうでもなかった。夜に美味しく食べて、次の日の昼にサンドイッチにしたらなくなった。

 

参考レシピ

自家漢方覚書2

引き続き漢方薬の覚書である。
人参養栄湯を1か月ほど飲み続けて、なんとなく地力がついてきた気がしたのでいったん止めて様子をみたのだが、どうも何か足りない。数日そのままにしておくと、風船から空気が抜けるように少しずつ熱が抜けていく感じがするのである。なんかこう、何かが自律機能してないような。
そこでちょっと動かしてみるかと、当帰芍薬散を投入した。理気薬の中では比較的体力のない者に用いる処方である。そうしたらガツンと何かが巡りだして、ずっと冷たかった手の小指側までぽかぽかしてきた。初日は何かを確認するように全身まんべんなくあったかくなったのが、次の日には首から上に集中的に熱が集まってきた。不思議なもんである。首の凝りがドックンドクンいって鼻がむずむずする。頭皮がたんこぶのように痛む。ぬおお。
しかし急に血行が良くなるのはいいが、もしも血流に血管が堪えられなかったら脳溢血とかになるんじゃないの、これ、とヒヤヒヤしていたら、翌日にはボヤ騒ぎが下にさがってきた。今度は四十肩がそのまま五十肩にスライドしそうな気配のあった動かすと痛い肩が、動かさなくても痛い。背中の真ん中がチクチクする。胃が、胃がぁぁ! 慌ててみぞおちに蒸気の温熱シートを貼って3日目の夜は事なきを得た。ゲフ。
痛くなるのは各部位とも1日程度で、そのあとはふっと楽になる。外骨格もかくやといわれたバキバキの肩こりも嘘のようにスッキリして首が回るようになった。いかにも傷んだところにどんどん血を流して修復してます! というのがひしひしと感じられるのだが、それにしてもあちこち傷みすぎだろ、この身体。そしていまはわき腹が痛い。この調子で痛覚のない内臓もめりめりと修復されているのだろうか。こうして上から順に下がっていくのだろうか。そして喉が渇いてくるのは修復箇所が多過ぎて血が足りなくなってるのか。人参とほうれん草とプルーンを積極的に食べているが追いつかない。まさか漢方薬でこんな荒療治になるとは思わなかった。効きすぎるのでちょっと容量を減らしてみようかな。