自家漢方覚書2

引き続き漢方薬の覚書である。
人参養栄湯を1か月ほど飲み続けて、なんとなく地力がついてきた気がしたのでいったん止めて様子をみたのだが、どうも何か足りない。数日そのままにしておくと、風船から空気が抜けるように少しずつ熱が抜けていく感じがするのである。なんかこう、何かが自律機能してないような。
そこでちょっと動かしてみるかと、当帰芍薬散を投入した。理気薬の中では比較的体力のない者に用いる処方である。そうしたらガツンと何かが巡りだして、ずっと冷たかった手の小指側までぽかぽかしてきた。初日は何かを確認するように全身まんべんなくあったかくなったのが、次の日には首から上に集中的に熱が集まってきた。不思議なもんである。首の凝りがドックンドクンいって鼻がむずむずする。頭皮がたんこぶのように痛む。ぬおお。
しかし急に血行が良くなるのはいいが、もしも血流に血管が堪えられなかったら脳溢血とかになるんじゃないの、これ、とヒヤヒヤしていたら、翌日にはボヤ騒ぎが下にさがってきた。今度は四十肩がそのまま五十肩にスライドしそうな気配のあった動かすと痛い肩が、動かさなくても痛い。背中の真ん中がチクチクする。胃が、胃がぁぁ! 慌ててみぞおちに蒸気の温熱シートを貼って3日目の夜は事なきを得た。ゲフ。
痛くなるのは各部位とも1日程度で、そのあとはふっと楽になる。外骨格もかくやといわれたバキバキの肩こりも嘘のようにスッキリして首が回るようになった。いかにも傷んだところにどんどん血を流して修復してます! というのがひしひしと感じられるのだが、それにしてもあちこち傷みすぎだろ、この身体。そしていまはわき腹が痛い。この調子で痛覚のない内臓もめりめりと修復されているのだろうか。こうして上から順に下がっていくのだろうか。そして喉が渇いてくるのは修復箇所が多過ぎて血が足りなくなってるのか。人参とほうれん草とプルーンを積極的に食べているが追いつかない。まさか漢方薬でこんな荒療治になるとは思わなかった。効きすぎるのでちょっと容量を減らしてみようかな。