ブックカバー

本を読むときはカバーを外す派だった。カバーは本体にくっついてないのでズレたり、それだけ紙質が違うためか湿気たりすると妙に丸まってめくれたりして読みにくいからだ。読むだけならそんなに汚れるもんでもないし、借り物ではマズイが自前のものならそれほど重篤な本フェチではないので多少の傷みは仕方ないと割り切っていた。が、とうとうブックカバーを使うことにしたのだった。
文庫本だとカバンの中に適当に突っ込んでいると、中で半端に開いてページが折れたり、財布や傘を出し入れするたびに引っ掛かって表紙がヨレたりしてしまうんだな。判っていはいたけども、毎日のことだといちいち気をつけるのも煩雑になってくる。カバンの中でぐちゃぐちゃになって、そのうち破けてしまいそうだ。
というわけで、文字通りすっぽり覆う型のカバーを作ることにした。しかし本というのは個体差がけっこう激しいので、フレキシブルに対応するのが難しい。版型はとりあえずヤワな文庫に限るとしても、いまのところウチにある一番薄い文庫本はトルストイの『幼年時代』、一番厚いのはハインラインの『異星の客』で、これくらいの差がある。この2冊をうまいことカバーリングできるようにすれば、大概の文庫本には対応できるだろう。これ以上に分厚い文庫本があるのは知っているが、今後そういうのを読むことがあればそのときにどうするか考えることにする。

以前買った合皮がちょうどいいくらい余っていたので、表側はこれを使うことにする。裏はこれまた余らせた別の綿ブロードの端布にする。

書類挟みのクリアフォルダを表紙+折り返しの大きさ×2に切る。あと、カバー先端に入れる分を2cm幅くらい切り分けておく。

文庫本を一巻き+ちょっと余るくらいに合皮を裁断。薄いのも厚いのも先端3cmが表紙の幅に収まるように。
 
合皮の端からそれぞれの表紙+厚さ分を引いて裏表紙の幅に相当する部分に印をつける。

厚いほうの背〜薄いほうの小口にクリアフォルダから切り出した裏表紙を挟む部分がくることになる。

裏地とあわせてちくちくと縫う。今回は糸にレザークラフト用の麻糸(細)を使ったので、千枚通しであらかじめ穴を開けてから、毛糸用の針でステッチした。合皮の縁は裏地と閉じあわせ、残りの裏地の縁を始末する。先端に当たる部分には2cm幅に切ったクリアケースを仕込んで縫い合わせた。表の合皮と裏地の間にクリアフォルダを切ったものを挟んで、出来上がり。

薄いほうに装着したところ。

分厚いほう。

カシメでベージュのゴム紐を留めたのは、こうして使うためである。

これでもう、カバンの中で本が暴れなくなるぞー。