- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/07/06
- メディア: 新書
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京極氏の本は殆ど読破していると思う。どれも内容・密度・量ともに高くて、読後にとても満足感を覚える。おなかいっぱい。
この本も内容は三篇に分かれていて、それぞれ一冊づつ刊行してもおかしくない分量がある。それを一冊にまとめて読ませてくれる。これで二冊目。分ければ五・六冊の立派なシリーズ物になるだろうが、もともとは別シリーズのこぼれ話的な短編集という位置付けだ。本編は別にある。凄いサービス精神だ。タダモノじゃない。
この本の主人公は本島、電気配線の図面引きで、凡庸で目立たない常識人。彼と薔薇十字探偵社が関わった事件の話。
最後に榎木津の優しさというか、人間らしさというか、意外な一面が垣間見えるのですが‥‥このシリーズはこれで終わりかな? 雑誌のほうはチェックしていないので、続編が出ているのかどうか、判っていません。
「姑獲鳥の夏 (講談社ノベルス)」から始まる本編が未読でも、充分楽しめると思います。「百器徒然袋-雨 (講談社ノベルス)」も未読なら、そっちも読んだほうがいいでしょうが、一話完結の短編なので順番は前後してもそれなりに楽しめます。