先を越された

図書館に行ったらば、今までは揃っていたグインサーガの続きがなくなっていた。念の為に端末で検索してみたが、やはり貸し出し中だ。むむ、正編が追いついてから手を出そうと思っていた外伝にしとくか。それに他の本も読みたいしね。
どんなに頑張っても読んでない本が尽きることはない。これは本読みの幸せなところであり、苦しみでもある。
この世の日本語で書かれている面白い本凡てを、一生かかったって読みきることなんて絶対に不可能なのだ。限りある時間において膨大な対象のどれを選ぶか、というのは最大の悩みどころだ。好みじゃないものを読むのは苦痛だし、でも読まず嫌いも勿体無い。


テレビが貧乏人の娯楽とはよく言われるけれど、都市部では本もそういえるだけのシステムが出来上がっているだろう。
無料で読める本がひとつの図書館だけでひとりの人間が一生かかっても読破できないくらいの量は揃えてある*1。新刊はなかなか順番が廻ってこないけど、新しくないからって読む価値が減ずるわけじゃない既刊本も山ほど未読のままだ。その量に圧倒されてため息が出る。買わないから積読はしないけど、事情はいずこも同じだよな。
時間を選ばず、いつでも前の続きから紐解くことができる。百年前と違って本といえば小難しいってもんでもなく、非常に柔らかい文体のものもエンターテイメントも随分多いわけで、内容を選べば疲れてたって読めないことはない。
ちょっと時代を遡れば本が貴重品だったのはそう昔のことではない。そう考えるとしみじみ凄いことだな。

*1:運営資金である税金は払ってるけどさ。