クルマ雑感

クルマやバイクや飛行機といった、内燃機関で動くものは嫌いではない。ロボットでも鉄道でも何でもいいのだけど、道具であり、かつパワーを持つもの、そしてそのメカニカルな面白さは理解できる。道具を操作するときの快感、それも人間の身体能力をはるかに超えた運動がもたらす気持ちよさも、確かにあるのだろう。
だんだん馴れてくるとたいした感動も呼び起こさなくなるのが常なのだが、それでも私はクルマの運転が嫌いじゃないし、むしろ楽しいとさえ感じる。三時間を越えると苦痛になるがな。
運転は、まあ、普通に不安のないほうだと思う。スピード志向はあまりなく、車庫入れ、縦列駐車、狭い場所のすり抜けなどにも苦手意識はない。混んでいる道も空いているところも高速道路もそれなりに運転できる。小さい軽よりはワンボックスのような大きいクルマの方が運転はしやすいな、と思う程度である。
だけど今は自動車を所有したいとは思わない。割に都会暮らしなので公共交通で間に合っているし、子供もペットもいないし、もし買ったとしても維持することを考えると、という経済的な理由ももちろんある。
だがその他にクルマは怖い、という意識がどうしても頭から離れないのだ。運転していても、操作自体には不安はなくても、これは人を殺せる道具であると常に考えてしまうのだ。ちなみに私はクルマで人身事故を起こしたことはない。*1
力を持つことへの畏れ、なんだろうか。管理できる自信がない。これがモノへの愛着やコンプ癖を凌駕しているのだ。
常に使っていると、それだけ事故を起こす可能性が増える。運転技術はもうある程度習得したから、これ以上上手くならなくても用は足りるであろう。だから必要がなければ持たない方が良い。レンタカーで充分だ。
と結論してしまうのである。


つくづく小者である。

*1:はねられて五メートルほど飛んだことならある。