選外

上のランキングに裸のランチ入れ忘れた。まあいいか。
あの映画はどこまでが現実なのかよく判らない。実は物凄く最初のほうから幻覚だったりして、と見終わった後に考えたりした。
私は視覚が弱いのか、一時はしょっちゅう幻覚を見た。金属が柔らかく動いたりとか、無機物に生命があるようにみえたりとか。当時はちょっと認知力も後退していたらしく、知人兄弟*1のどっちが兄で弟なのか知っているはずなのに判断できなくなってしまったり、身の回りの色んな自明なはずの事柄が混乱してワケ判んなくなったりした。
頭の配線が少しイカれるというのは、そういう感じなのだ。本人はその場では恐怖に震えるし苦悩したりもするんだが、どこか滑稽だ。最近流行の「人は自分が認識したものを現実だと思っている」というのを身をもって知ったのは、貴重な体験であったとちょっと自慢である。まあ今でもバカには違いないが、一応治ったからそんなことも言ってられるのだな。
そういう世界と裸のランチは凄くよく似ている。イケナイ薬でラリるのも、ビョーキで頭の配線がイカれるのも、大した違いはないのかもしれない。
そんなわけで、裸のランチは難解だとよくいうけど、あれはただのリアルだったんだろうと思う。

*1:五歳違いでそりゃ見た目は他人よりは似てるが見分けがつかないほどではない、ごく当たり前の兄弟だった。