映画:宇宙人王(ワン)さんとの遭遇(監督:アントニオ・マネッティ)


中国語通訳をしているガイアのもとに1本の仕事を依頼する電話がかかってくる。高給につられて引き受けたが、なんとその仕事は何故か中国語を話すイカ型触手系宇宙人が相手だった。
こういう映画にそぐわない表現かもしれないが、佳品であった。ホラー的効果をちりばめつつ断片的な情報をひとつずつ開示して徐々に緊張感を高め、一般女性があんな行動を取るまでの経緯を丁寧に描いているのが面白い。考えてみると設定はギャグっぽいのだけど、お話のつくりはとても堅実なのだよな。文学的といってもいいかもしれない。題材は中国語を話すイカ宇宙人だけど。
低予算なつくりなのかもしれないけど、出来ることはあるっていうのは格好いいな。その上ここまで高いレベルで物を作っておいて、設定といい、オチといい、こういうふうにオトせる余裕にもしびれるわ。そのラストのオチはキメ台詞を書きたくて堪らないのだが、さすがヨーロッパ映画だよなぁ‥‥とだけ。