- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: DVD
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なんというか、映画らしくない映画だな。そうそう本数を見ているわけではないのでこう判断するのも早計かもしれないが、最初の印象はそんな感じだった。まず冒頭で人類の祖先に当たるのであろうサルの生活がけっこうな長さで何の説明もなく流される。その後も記録映像のような、極力説明を廃したような台詞運び。意味ありげにかく語りきのファンファーレが鳴り響き、新世界への幕開けを告げる。後で調べたら、はじめはモノローグを入れていたのを、完成前に外したのだとか。アレで懇切丁寧な説明が入ってたら、清く正しい少年少女のための科学特撮番組みたいだよな。
それにしてもディスカバリー号のあの内部を見ていると、ガレージキットを作りたくなる。重力の変わりに遠心力というのはもう古典的お約束であり常識だが、キッチリその通りのセットを見たのは、私は初めてだったかもしれない。撮影しにくいんだろうな。宇宙服を着て船外作業するにも、実に緊張感をもって慎重にゆるゆると動く。BGMはなく無言だがヘルメットの中の息遣いだけが聞こえてくるのが、いかにも外部は重力もない真空なのだと意識させられる。乗務員の動きひとつとっても派手さを求めず、全てにおいて無理のない想像できる範囲で現実的なんである。そこが記録映像のようで、ある意味観たかったものがそこにある感じがして贅沢な映像体験になるのだな。ドキュメンタリー好きには堪えられない映画だろう。
あと、最後の光の旅路で酔った。部屋を暗くして観ていたのだが、うにょうにょが長い。じっと見つめているとなにかの発作を起こしかねないほど気持ち悪くなったので、目を逸らして電灯を点けたりして気を紛らわさねばならなかった。これは映画館で観てたら吐いてたかも。