懐古的食生活

次の帰省から戻るときは、あたため方式の牛たん弁当とずんだシェイクという使命を帯びたことだけは理解した。しかし下手したら十ヵ月後である。それまで覚えていられるかどうかは、また別の問題だ。
帰省して無性にびっくりドンキーのハンバーグが食べたくなったのだが、諸般の事情で果たせなかった。あと、鬼がらしのラーメンも。北京餃子は‥‥べつにいいや。
びっくりドンキーはこっちにもあるけど、私の行動半径ではお目にかかったことがない。仙台市内にはあちこちあったし、安価なのでお金ないけど肉が食べたいときなどにはよく食べた、いうなれば青春の味である。特に夜中にバイトが終わって、物凄く腹が減ったときなどはよくお世話になった。向こうでは車を使っていたせいもあるだろうが私の行動範囲の中に二、三店舗はあったのに、こちらではあまり見かけないのは何故なのかと疑問に思い、ホームページを見てみたら、ルーツが盛岡のお店なのだった。関係あるのかないのか判らないが、人口に比して北日本のほうが店舗数がありそうな気がする。
《ハンバーグレストラン びっくりドンキー》
ハンバーグといえば、電力ビル裏のラ・ベルヴィ4階、La Calmのハンバーグも美味しかったな。と誰にも判らないようなことをついでに呟いてみたり。
鬼がらしはもともと山形の店である。いわゆる激辛がウリのラーメン屋なのだが、これが美味かった。ノン辛、小辛、中辛、大辛、超辛と辛さを選べるようになっていて、冬の寒いときより、むしろ真夏のうだるような暑さのときに汗だくになりながら食べたくなる味だった。昔は実家の近くにもチェーン店があったのだけど、もうなくなっているらしい。
《鬼がらし本店》
地方のチェーン店というと、あとは『めしのはんだや』とか『ミルキーウェイ』、『幸楽苑』などもあるけれど、物凄く高級で美味しいものではない、逆にチープでコストパフォーマンスが良いという感じだけど、よく食べた味というのは安心感があるもので無性に食べたくなることがある。もちろん果敢に首都圏に進出しているところもあるが、しかしわざわざ電車を乗り継いでまで食べに行きたいわけでもない。ではなんなのかというと、生活圏にその味があったこと自体が懐かしいのだろうな。今度帰省したら、いくつか回ってみることにしよう。