春うらら

いきなりの春である。春は眠い。とはいえ、私の場合は酒飲みの歌で酒が飲める理由とタイを張れるくらい季節に関係なくいつでも眠いのだった。春は花見で酒が飲めるぞ。しかしこのところ酒の誘惑のみならず食欲まで増進してきており、若干の危機感を覚えてもいる。腹回り的に。ストレスなのかなんなのか、無性に美味しいものが食べたい。
最近、タジン鍋というのが流行っているのか、あちこちで見かける。使い方をよく見るとつまるところ蒸煮鍋のようだ。高く伸びた蓋の先は火から遠くなるため温度が低くなるので、そこについた蒸気が水滴となり、鍋の中へ戻っていく。だから少量の水で蒸し煮が出来、加える水が少ないので野菜の味が散逸しなくて済むらしい。野菜厨としては垂涎である。ところで水分少なめで蒸煮にするならレンジではダメなの? と検索したら、レンジ用の調理器具っていっぱい出てるのな。(参考)レンジ用のタジン鍋まであって、もう何がなにやら。
鍋といえば私は野菜厨だが、その他にスープなどの汁物好きでもある。鍋サイコー。水分少なめで野菜が美味しいなら、たしかまったく水分を入れない鍋もあったはずだ。その名も汽鍋。ここを見てもらえば判るが、水をはった鍋の上に真ん中に管の通った汽鍋を乗せて加熱する。水を一滴も入れないと書いたが、実際は下の鍋の蒸気が管を伝わり鍋の中に溜まってスープになるものである。薬膳料理に使うことが多いようだが、これでじっくり鶏スープを作ったら美味しいだろうなぁ。蒸気を集めて飲むというのも随分気の長い話で、かなり時間はかかりそうだけど。砂漠で真水を得るサバイバル術みたいだ。