パスケース

私は小物をよく置いて歩く。携帯はしょっちゅう持って帰るのを忘れるし、鍵は閉じ込めるし、SuicaPASMOはここ5年間で2回失くしたことがある。堂々と自慢することでもないが、昔から忘れ物の多い阿呆なんである。トホホなダメ人間ともいう。そのくせSuicaもハダカのままぺらっとジーンズの尻ポケットに突っ込んで歩くのだから救いようがない。もうちょっとモノに存在感を与えねばまた失くすだろうな、というわけで、パスケースを作ることにしたのだった。

蛇柄の合皮は、また鞄を作ろうと年末くらいに買っておいたもの。ついでに見かけた透明糸も使ってみたくて一緒に買ったのだが、大物を作る前に小さいもので試し縫いをしておきたかったというのもある。この糸の素材はナイロン100%だがテグスほどは強くないようだ。厚手のものをがっちりホールドするにはちょっと向かないかもしれないが、パスケースくらいなら充分。ミシンも糸調子を調整するだけでスムーズにかけられたし、こういう変わった素材が普通に縫えるのは面白いな。今回の合皮の表面が少し厚みのあるビニールだったので、光を反射して縫い目がキラキラする。
裏側はバネホックをつけて、コインケースにした。

横浜の公営駐輪場は1日80円なのだが、自転車に跨ったままゴソゴソ鞄を開けて財布を取り出すのは、案外面倒くさいんである。ちょっとのことなんだけど、毎日だとね。Suicaの入ったパスケースなら用途からいって大抵ポケットに突っ込んでいるだろうし、ここに小銭を少しだけ入れておけばスムーズに駐輪できるんじゃないか。そんなちょこざいな目論見なんである。
ところで金具の類はいつもこのくすんだブロンズ色を使っている。別に決めているわけではないのだが、やっぱり選んでしまうのは地味好みだからなんだろうな。しかし今度はせっかく白っぽい(クリーム色だけど)蛇柄なんてチャラい合皮を手に入れたのだから、これに合わせてたまには金具もピカピカキラキラにしようと発奮し、シルバー色のバネホックを買ったんである。ところがどっこい、これがいざ打ち付けようとしたらばサイズが手持ちの打ち具と合わないことに気がついた。打ち具の種類はだいたい大中小の3種類で、私が持っているのは一番使いでのある中なんだが、大じゃないとつけられないホックだったのだ。うむむ、これでは打ち具を買ってこなくては使えない。馴れないことはするもんではないということだろうか・・・・しおしおとヘコたれて、備蓄していたいつものブロンズ色のホックでお茶を濁したのだった。
表からは全然見えないけど、中はプリント地。

これで落としたり忘れたりせずに済むかな。ダメ押しにあとでハトメで穴を開けて、チャームでもつけようか。