下手な考え落とし穴に嵌る

嵐の前の静けさで穏やかな日々である。会社にいる時間が一日の半分を切ると、帰ってからいろいろ捗る。特に睡眠が。善哉善哉。いつもこうだと余裕があっていいんだけどな。
しかしこの生活も長くは続かない。いつも通り設計してたら何故かそのまま仕事を受注してしまい、これから現場が始まるので年末年始はまた呻吟する見込みと相成っているのである。ぐぬぬ。見積・設計から施工までひとりでやるのも、町の工務店なら当たり前なんだろうけどな。でもいっせんまんも受注するなんて私の人生ではおそらく最初で最後なんだから自慢くらいさせろ。
とはいえ、私は営業職ではないし、この仕事も取ろうと狙って取ったわけではない。客先で希望を聞いて「ほんじゃー、こうしますかねぇ」などとできることを図面にして見せたら「うん、それでいいや」とテキト−な調子でトントン拍子に決まってしまったのだった。まさに棚ぼた。いいね、これからも公私共々この調子で頼むよ。
余計なことは考えない考えない。
最悪を想定して策を立てて心の準備をしておくのは百歩譲っていいとしても、ときどき予想が外れているのに勝手に悲壮な気分に浸りきって策に固執してしまうことがあるんだよな。あれってなんなんだろう。せっかく考えたという労力が惜しくなるのかね。それとも矯めつ眇めつ眺めては悲劇のヒロイン気分に酔ってるのだろうか。はたまた自分の考えたとおりに事が運ばなかったことを認めたくない変なプライドなのか。まったくもって無意味どころか、厭な考えに気力を削られるのだから悪癖以外のなにものでもない。しかしこれが弱ってるときに落ちやすい、何故か甘美な罠なのよな‥‥。