- 作者: 瀬川深
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/03/10
- メディア: 単行本
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話は地球の裏側の遠いところから始まるのだが、それがぐぐっと迫って身近に繋がってくるところで、無関係だと切離していた世界が急に接続する感覚にくらりと眩暈がする。変調し、混乱し、酩酊し、調子に乗ったところを小気味よく叩き落される。さいこう。
500ページを超える大書だが、リズムのいい文章でするすると読める。特に岩手の方言が何度か出てくるのだが、そのリズムも非常に引っかかりなくスムーズなのが凄いなぁ。私は東北出身なので文字を追いながらイントネーションから強弱まで脳内再生しては、ネイティブで読める幸せに浸らせて貰ったよ。
ちなみに東北独立というのは現代まで連綿と続くよくある与太ではあるな。あんまりバカにすると食糧供給止めるよ? が脅し文句。(参考→『奥州連合』)スコットランドほど激しくはないが、話すと長くなるし曖昧な事柄が多いので、与太くらいにしておくのがちょうどいい塩梅なのである。