読了:「宇宙クリケット大戦争」(ダグラス・アダムス)

宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)

宇宙クリケット大戦争 (河出文庫)

小ネタ満載でずんずん進む。それぞれのネタが結構濃いので、ついそっちのほうばかり気になってしまって、話の流れを追いかけるのが大変。必死です。伏線もオチが判ってから「え・・・・ああ」と思い出して納得する始末。
一度通して読んだだけなので、もう一回読もう。SFコメディを二回以上読むというのも、私にとってはシュールなネタのようですよ。
シリーズ二冊目の「宇宙の果てのレストラン」から続く流れで、登場人物はペア同士で動き始めるが、そこでトリリアンがゼイフォードを淡々と見捨てる経緯を、また淡々と順を追って描かれる。これだけしっちゃかめっちゃか不確定な筋立てなのに、女が男を袖にした理由があまりに尤もだというのが、これまたジョークなんだろうか。と深読みしたくなる不思議な魅力。
レストラン理論、落ち損ねることに失敗しないようにする、ペチュニアの鉢、不死性人の「夢を持っちゃいけませんかね」という台詞・・・・このシリーズは妙にツボに嵌るんだよなぁ。
そういや他人ごとフィールドですが、新井素子嬢の「いつか猫になる日までいつか猫になる日まで (コバルト文庫)」に出てくる宇宙船を見つけられなくする方法とよく似ていたので、ふと思い出しました。十数年前(下手すりゃ二十年か・・・・)に読んだ短編のことなのによく覚えてんなぁ、と自分でも思ったけど、その発想が凄く面白かったから記憶の片隅に残ってたんだろうな。