矯正:一年検診

矯正装置が外れて一年の検診である。
そうか、もう一年経ったのか。矯正装置が口の中にあった一年半は、痛いわ食べにくいわ見た目悪いわの苦痛のせいかすごく長く感じたものだが。妊娠期間中、周りの人間は能天気に「もう○か月? 早いねー」などというのに対し、妊婦本人にとってはとても長く感じるというのと似て‥‥ないか。
検査ついでに口腔内のメンテナンスもやってくれるのだが、歯石をガリガリやっているうちに昔かぶせた銀歯がとれた。場所が歯医者だったのですぐにつけ直してくれたが。セメントが溶けかかっていたらしい。最近、なんかスースーしてたのはそのせいか。
私は矯正前に額関節症の手術を受けている。歯茎を切り開き顎の骨を削って割って拡張するという、何とも外科的な切った張ったの手術だったのだが、術前に説明されたのが神経の回復期間についてだった。
神経というのは一度傷がつくと回復するのにとても時間がかかるのだそうだ。一年でこれくらい、二年でこれくらい、と年単位で徐々に復活する。そして口の中というのは非常に神経が細やかなところである。もちろんメインのラインは傷つけないように手術するが、細かい部分は避けようがない。だから少し感覚が鈍くなる部分があるが、だんだん戻るから、という話だった。
それは実際その通りで、術後初めのうちは歯磨きしていてもどこを磨いているのかよく判らないところがあった。それも時間が経つにつれて、部分ごとに「あれ、ここ急に感じるようになったな」という具合に感覚が戻ってきた。実際体験してみて判ったのだが、神経が開通するときというのは、すぐに平常通りに運行するのではないらしいのだ。少し過敏に感じたり鈍感だったりして、そこから自然に感覚を調整していくようだ。
だから最近スースーしていたのも、神経が少し過敏になっているだけかと思っていたら、実は外れかけの銀歯のせいだったらしい。そんなこんなで、今虫歯になってもきっと虫歯の痛みと神経のせいとの区別がつかないんだろうな。


検査結果は後日だが、ざっと見た限りでは安定しているとのことで、今まで食事時以外は外せなかったリテーナーは、夜に寝るときだけ装着すればいいとのお達しだった。
引っ越しのことも言ったのだが、もう治療も最終段階だし何カ月かに一度通うだけなので、今から紹介状なりを書いてもらって病院を移るより、仙台に通ったほうがいいのかと迷うところだ。あと何回通うかにもよるが、それはこちらの生活が少し落ち着いてから、検査結果を聞きに行くときに相談しましょう、ということになった。