年の瀬にどうもな

朝起きて風呂に入って洗濯と掃除をし、年末年始をのんびり過ごすべく今のうちに近所のスーパーへ買い出しに行ってまた寝た。起きたら夕方五時でそれからひき菜をひいてご飯を食べて、わぁ、もう有頂天ホテルが終わりそうなのに年賀状まだ書き終わってないよ!
どうもな、やる気がしないのだ。
このところ同居人がグズグズ言っている。
スーパーに買い物に行ったり炊事洗濯掃除ゴミ出し等々、家事全般の段取りが常時頭の片隅にあって気になるのが厭らしい。特にスーパーに行くと近所のオバサンやお年寄りに混じって俺はここで何をやっているのだ、こんなことをしている場合ではないとか思ってしまうんだそうな。オバサンやお年寄りには失礼な話だが、週末に一緒に行ったりするとみるみるうちに不機嫌になっていくのがはたで見ていて判るほどだ。
しかしなぁ、食料を買い出しに行くのが厭だからって、それを止めたら家に食べ物がなくなるわけで、一食ごとにいちいち外に食べに行くのもこれまた面倒だし、じゃあ食べるのを止めるか。うん、そうだ、そんなに厭ならなにもかも止めたら良いじゃないか。と言い放ってしまいそうになるのをおしとどめて、折衷案で厭なことはなるべく少なくするために一週間分くらい買い溜めしたらと提案したところ、それは不経済だから駄目だと却下された。どーしたいんだ。ワケワカラン。


どうなんだろうな、家事をめぐってはこれまでも何度か衝突しているが、相手の主張としては彼の勉強を私の仕事と同等に思えということだろうか。
私が仕事で家を空けている間、彼がどういう生活をしているのか判らないが、彼も私がどういう風に働いているか判らないわけだ。私が外で働いている間、家にいる彼が昼の一時間を除いて八時間ノンストップでテレビもつけず黙々と勉強と家事のみをしているのだとしたら、それはそれで凄い。が、今日は自転車でここまで行ってみたとかいう話を聞いている限りではそうとも思えない。
しかも子どもが居るわけでもなし、大人がふたりだけの生活なのだ。そりゃ家事も完璧にやろうとしたら大変な仕事になってしまうが、最低限の維持活動ならば私の通勤時間だけで事足りると思うんだが。というか、私ならそれで間に合わせるし、相手にそれ以上求めるつもりもない。幸い私も女なので家事のノウハウは持っているし、休日には普通に動くし旦那としてはかなり協力的な部類だと思うんだがな。
そういや前に家事を分担してくれと要求され、平日に私が洗い物をしている間中、彼がテレビを見ながら笑っているのでブチ切れたことがあったっけ。彼の首を絞めながら私が家事をしている間はずっと勉強してろ!とか言ったような気がする。ま、お互いにギリギリで、相手のしていることを軽んじ合っているような気がしないでもない。
気分的に切羽詰ってくると言っていることがおかしくなってきて、仕事の定時が六時の私に対して七時に食事の準備をしろと無理難題吹っかけてみたり、そんなに厭なら働くのを止めろと言ってみたり、じゃあそっちが働いて養ってくれるのかというとそうでもなくて、私に家賃が払えて喰うに困らずストレスが溜まらなくて家事もできるくらい緩い仕事を探せと夢のようなことを要求してみたり、とにかく家事したくないと駄々を捏ねたり、そういう言い争いになると理屈の通じない地獄の様相を見せ始める。
逆上しているときに言い返すと血を見そうなのでその場は黙っているが、ほとぼりが冷めた頃を見計らって、いつか働き始めたら同じことを言ってやる、と私は彼に宣言する。するとどうしてそんな意地悪をするんだよぅ、と彼はヘラヘラするが、全部現実に自分が言ったことだろうが!