昼行灯

まいったな、まったくネタが出てこない。いつも通りの毎日なんだが、妙に薄ボケていてなにを見ても考えるとか分析するとか批判するとかがかったるくて、無感動になっている。特に疲れてもいないはずだし、連休で燃え尽きたか?
こうなったら書くことがないということを書くしかないではないか。


最近は十分早起きをして、出勤途中で三十分ほど歩くようにしているのだが、毎日同じ平坦で特筆すべきものもない道を歩いていると、頭の中で妄想がひろがって困る。いや、ひろがるだけなら別に困らないのだが、そっちに集中していると我知らずニヤけていたり眉間にしわがよっていたりする。あまつさえ、ひとりなのに脳内の誰かに話しかけそうになり、ハッと気付いて慌てて口元を締めることさえある。
北から南に移動してみると、動植物がいやに元気だ。なんの変哲もない民家のアプローチも、庭木が立派なせいかビシッときまって見える。ただの階段なのにこれだけ風合い豊かになるのは何故だろうと、ほけっと見入ってしまう。
植物とは目で見る季節なのだな。道端の植え込みに生える下生えのことごとくが花を咲かせているのに、妙に懐かしい気持ちになったりする。鮮やかな青紫のふぐり、黄色いかたばみ、なずな、赤つめ草、まるで小さなお花畑の様相である。今朝はそれらに目をとめ、なんだか暖かい処ではバァーッと花が咲くね! とひとりでゼスチャー付きで表現しそうになった。
おいおいおい、どうした、疲れているのか。春だからか。頭の中が春なのか。
まだ小人さんは見えないから大丈夫。