映画:WALL・E(監督:アンドリュー・スタントン)


はじめは観るつもりはなかったのだ。予告編を観ても、まあ、遠い未来にゴミを残し打ち捨てられた地球で、ただひとつ稼動し続けている時代遅れのロボットがいて、そこへ未来型ロボットがやってきて仲良くなったんだけど、実はそれは悪い人がやってくる前の斥候のようなもので、いろいろあって勝手な人間たちを懲らしめて反省させるというような、子ども向けのカワイイ映画なんだろう、というくらいにしか思ってなかった。人間が大人でロボットが子どものメタファーとかね。とにかくあんまり期待はしてなかった。
しかしなんじゃかエライ評判がいいというので、興味をひかれて観に行ってみた。
ええと、すんません、ピクサー舐めてました。確かに大人から子どもまで楽しめるファミリー向けの『いい話』なのは間違いない。ストーリーも一ヶ所意外だったところを除いては大筋はあまり予想から外れてない。いやでもねぇ、すんごいいいお話だった。絵もきれいだし、ストーリーも予想が外れてた一ヶ所がけっこう大事で、そしてエピソードの細かい積み重ねが丁寧で、そういうのが厚みになるんだな。
植物が宇宙空間で暴露して生きてるわけがないとか重箱の隅的なことは言おうと思えばあるにはあるが、それはどうでもいいのだ。キモはそこじゃない。最初はあるはずのないロボットの感情表現をうるさく胡散臭く感じていたのだけど、だんだんそれが妙に可愛くなってきて、しまいに思い切り感情移入していることに気付く。イヴは文字通り破壊力抜群のツンデレだしねぇ。
最後の原始的な壁画がヒエログリフになって線描画になって油絵になって、と段階を追っていくところでは、もう映画館の暗闇でひとりニンマリしてしまうのを止められなかった。
ピクサー映画といえばモンスターズ・インクも面白かったし、レミーのおいしいレストランも私は観てないけど評判良かったっけ。変に捻らず直球ストレートというのは大事なんだなと思った、この週末であった。
ところでイヴってアレだよね‥‥。

サイコガンを仕込んだ妖精だけどな。