耳の結び

こないだのイヤホンの話で、相方さんに『音像の結び方がうんちゃら〜』となにやら小難しいことを言われたので、家に帰ってまた試し聴きしてみたんである。
オーディオっていうのは、自分を中心にしてすべての音が真ん中でバランスが取れるように設計されているものらしい。イヤホンは左右に分かれているけれども、例えば右斜め前方で音が鳴っているように聴こえさせるには、音量の比率は右側を強くする、という。左右を逆にするってことは、位相がぐるっと180度回転するってことだから、前から聴こえるはずの音が、後ろから鳴ってるように聴こえるんじゃないの、と。
ん? ちょっと待て。
みんな音楽を聴くときはどこで聴いてるの?
そこからか、オイ、というのは置いといて、ぶっちゃけ私は奥行きのある音を認識する場合、ぼんのくぼあたりで感じるのだ。だからイヤホンで聴くときも、頭の後ろのほうに音が響かないとキモチワルイ。だってコンサートホールでもそう聴こえるじゃん! と思ったが、よく考えたら客席というのは舞台に向いて設置されているわけで、実際のところ音源は自分の前方にあるのが一般的なのだった。あれ? 逆じゃん‥‥じゃあ、なんで私は後ろ向きで聴いてるの? 謎である。
考えても『何故か』は専門家が実験でもしてくれない限り判らんし、私にそういう癖があると判明したところで日常生活には支障ないし今さら治そうとも思わないので『へぇ〜』と言う以外にないのだが、もうひとつの興味津々の疑問がある。他の人はだいたい前方から音が鳴っている設定で聴いているわけで、では身体のどこらへんで音を受止めているのか、ということだ。骨伝導とか身体に直接響く振動というのもあるが、細かいことは置いといて音波を受信しているは主に耳であるということを前提として、脳に入ったその音が身体のどの辺りで鳴っているように感じているのか、である。前述したが、私の場合は後頭部からぼんのくぼあたりである。そのあたりにピタリとはまると、脳みそ全体が歌うように感じて気持ち良い音になるんである。