映画:スター・トレック(監督:J.J.エイブラムス)

約200年後の未来。宇宙探索のために作られたエンタープライズ号に乗り込んだ青年ジェームズ・T・カークの成長と、カークの目線と重ね合わせ、宇宙へと進出していく人類の運命と希望を描く。

スター・トレックである。スターをトレッキングするんである。何を言っているのか自分でもよく判らない。ストーリーは最近流行のエピソード・ゼロというか、平行世界のもうひとつのスター・トレックの物語である。
スター・トレックはちと世代がズレていて、旧作のほうはまったく観ていない。それでもカーク船長やらスポックやらエンタープライズ号など固有名詞には聞き覚えがあるし、エンドロールで流れたテーマ曲に至ってはもしかしたら演奏したこともあるくらいよく知った曲で、『これはスター・トレックの曲だったのか!』と逆に認識を新たにしたくらいだった。あれ、アメリカ横断ウルトラクイズのオリジナル曲じゃなかったのか‥‥。
人気シリーズだし、おそらく元を知っていれば楽しめる小ネタがたくさん詰まっていたのだろうが、まったく知らなくても充分楽しめた。CGは迫力だし、テンポもいい。だんだんメンバーが集まってくるのもゾクゾクする。その中のひとりにサイモン・ペグがいたのにはちょっとビックリしたが。
あと、好きでよく観ていたテレビドラマのアンドロメダあたりと通じるものがあって、馴染みやすかったのもあるかもしれない。もっとも、アンドロメダのほうがスター・トレックの後追いなんだろうけども。全体がテレビのSFを豪華にしたようなスカッと明るい屈託のない雰囲気なので、多少ユルい展開でも違和感はない。
もとが偉大すぎるのか、ファンが多すぎるせいなのか、多少パロディっぽい空気になってしまうのは致し方ないのかもしれない。大好きなものを楽しく作りましたという作り手側の愛情が滲み出ているようで、観ている側もくすぐったい気分になってくるし、これはこれで充分アリだろう。楽しかったっす。