映画:GIジョー(監督:スティーブン・ソマーズ)

ハズブロ社販売の同名アクション・フィギュアをもとにしたTVアニメを、「トランスフォーマー」の製作陣と「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」「ヴァン・ヘルシング」のスティーブン・ソマーズ監督が実写映画化したSFアクション大作。超ハイテク装備の国際機密部隊「G.I.ジョー」と悪のテロ組織「コブラ」の壮絶なバトルが展開する。

映画が始まった途端にキラキラした怪しく物騒な武器が出てきて、それをバカスカ火器を撃ち合いながらの争奪戦に突入する。北極の海底基地、空を飛び回る流線型の戦闘機、砂漠の真ん中にある秘密基地の中は最先端の科学要塞という夢のような男児映画である。もとが米国ハズブロ社が販売している男児向け玩具から派生したものというし、ある意味とても正しいスタンスである。目玉の武器も生物兵器や毒ガスなんてエグいものではなく、スイッチを押せば止まる金属だけを食べるナノマシンだから人や動物が溶けたりぐじゅぐじゅになる心配はないあたりが男児らしく爽やかである。
しかしヒューマンドラマの部分は敵が元カノだったり昔の兄弟弟子が敵味方に分かれていたり、ああ閉じてゆく狭いセカイ‥‥。このセカイは100人の村なのか? あと20年前の東京を回想しているはずなのに、あれっハングル‥‥こっここここまけーことはどーでもいいんだけどな! ゼィハァ。
敵方の男爵に対して主人公が『デューク』なのは、最初から格が違うってことだろうか、と余計なことを無理矢理考えたり考えなかったり。映像は素晴らしい。筋も実に判りやすい。美麗な映像で何も考えずにホゲラっとわくわくするにはいい映画であろう。