こびとさんが本体

やったことないことをやるというのは結構大変なもので、仕事であれ遊びであれお勉強であれ、何事か始める度に新しい概念の壁にぶつかる。使いこなせるようになるまで壁にガリガリと爪をたててみたりよじ登ろうとしてみたり、挙句に落ちて所在無く周りをウロウロしてみたり、巧くなる前の過程は非常に地味で辛いが、実はそれが楽しかったりする。ツライツライと言いながら、案外喜んでいるのである。それを攻略すると道具を手に入れることができて、ようやくそれを使ってなにをするのかという地平に辿り着く。大事なのは結局中身、なにをするかの部分なのだけども、やっているうちに手法を習得すること自体を目的化してしまうのが私の器用貧乏たる所以である。だから駄目なんだ。
ここ最近まさに初めてのことに挑戦しつつあり、壁にぶち当たって寝ても覚めてもそのことで頭がいっぱいである。集中力だけはある、言い換えればいちどきにひとつのことしか考えられない単細胞。影響は生活全般に及び、領収書をつけて出金伝票を提出するのも日記を書くのも食糧品を注文するのも洗濯掃除も素で頭からすっぽ抜ける。あやうく書留で来た合格証を受け取り損ねるところだったのをやっと踏み止まったくらいだ。それでも酒だけは飲む。どこまで駄目なんだ。
それはともかく楽しいことの醍醐味はなにかをこなさなければ味わえないところにあって、簡単に喩えるとブラウザが使えなければネットも出来ないというようなことであり、シネコンで映画を観たければ事前に席を予約しなくちゃいけないというようなことだ。同じようになにかをカタチにするには目的に沿った手間が必要なんである。初めてだとそこんところがいちいち引っかかる。楽しいんだけどな。それがなんなのか、近いうちにお知らせさせていただく所存である。とどのつまり、わざわざご足労願った上に財布の紐を緩めてくれという図々しいお願いなのだが。ふはは。