なんか書けといわれたので書いてみた。ちょっと前の映画だしいいよねってことでオチに触れている。ネタバレを厭う向きはご注意めされたし。
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しかし心臓発作を起こして激しい運動ができなくなったのをきっかけにいざ引退への道筋を辿ろうとしたら、和解しかけた娘との約束をついすっぽかして怒られ、いい雰囲気になった女にも一度振られる。これきりの失敗で、自分は普通の生き方なんて出来ないんだうわあああと自暴自棄になって、俺にはこれしかないんだああああとリングで死ぬつもりになってしまうんである。まあさあ、気持ちは判るよ。プロレスが好きだったんだね。人生を捧げるほど好きなことが出来なくなってただでさえ辛いのに、他も上手くいかなかったら死にたくもなるよね。
しかし女性がああいう立場であればそりゃ断るってものである。決断に時間のかかることだってある。小さな子どもがいれば尚更だ。それでも仕事をすっぽかして来てくれたじゃないか。事情があるならどうすれば最善なのか話し合って詰めなきゃしょうがない。娘だって父親に期待しているからこそ、それを裏切られたらひどく傷つくし文句も言う。ひっくり返せばいい関係でいたいということだ。本当にどうでもよければもっと木で鼻を括ったような返事しかしない。少し時間を置いて誠心誠意謝ったら、次に食事に行くときは店で2時間も待ちぼうけくって恥をかかないように家まで迎えに行くことにすればいいじゃないか。
ただランディの面倒くさいこと細かいことはうっちゃって俺にはもうこれしかないんだという思い込みも、たとえリングの上で死ぬとしてもプロレスラーとして全うしたいという覚悟も本物なんだろう。まだ誇りを持って立てるリングがあって駆けつけてくれる女もいるうちにすべてを終えたいというのもあるのかな。だからあの場面で幕切れになるのは実に正しいのだろう。死んだかもしれないし、そうじゃないかもしれない。人生ってのはそんなに都合のいいところで終わってはくれないものだとしても、またベッドの上で目覚めて医者と彼女にこっぴどく叱られる様を描いたらそれはちょっと違うんだよね。私には目に浮かぶように思えるとしてもね。