より深く癒されるために必要なたった3つのこと

ほぐす、寝る、食べ過ぎない。大事なのはそれだけ。ついでに呑まないも入れば完璧だが、そうはいかないのである。
たいてい山を越えた直後はキンキンに緊張して身体もガチガチになっているので、ただ寝ようったって寝られるものではない。なのでまず1日目は温泉施設に行って長風呂し、あたたまったところを間髪入れず1時間くらい全身マッサージを受け、更に揉まれた身体を岩盤浴などで血行促進することで徹底的に身体をほぐすのである。それから最後にひとっ風呂浴びたら湯冷めしないよう途中であったかいものを食べて帰宅し、ゆったりした部屋着に着替えて準備を整える。食べ過ぎると睡眠中に回復へまわるリソースが消化に奪われるので、欲張らずに温かいものを適量だけ食べるにとどめるのが肝要である。たんぱく質は摂っておいたほうがいいが、肉をガッツリ食べると疲れるのでほどほどに。具体的には肉うどんや卵を落とした雑炊などでいい。そうしておいてその夜から次の日はひたすら寝まくるのである。目が覚めたらちょっと食べてボーっとしてまた寝る。また起きたら風呂に入って甘いものでも食べてDVDでゆるいコメディ映画でも眺めてまた寝る。間違ってもつまらないことの重箱の隅をつついてこねくり回して頭でっかちの中身が脳内の理想と現実との落差に不満と被害妄想でいっぱいになって一席ぶっている話など読んではいけない。せっかく浄化された魂が濁る。ここで寝難いなら一杯ひっかけるのもいいだろう。
この述べ2日間はひとりで過ごすのがポイントである。ひとりきりの開放感は、たとえどんなに気のおけない相手であっても、誰かといるのとは全然違う。楽しいとか楽しくないとかそういう次元の問題でもない。ただ心身を余すところなく凡て疲労回復に奉げきるのである。本願は休息成就、それに尽きる。本気で休みたいならば茨の道を覚悟せねばならないのである。
また休息は1日にしてならず。マッサージは疲労回復には有効だが、揉み返しというものがある。そこそこの疲れならばたいした問題ではないが、疲れていればいるほど反動は大きくなる。1時間も揉まれれば次の日は身体が重くなるのは避けられない。そればかりかせっかくほぐした後に無用な刺激を与えると、もとの木阿弥に戻ってしまうという恐ろしいオマケつきである。揉まれた後は休むべきなのだ。理想をいえば、この2日間の前に2度くらいはプレマッサージを受けておくと良い。溜まりに溜まった疲労は一度のマッサージでは到底間に合わないものだ。10日前に1度、5日置いてもう1度、更に5日置いて勝負をかけるのである。前の2度は疲れに応じてそれぞれ30〜60分程度、特に苦しい部位を重点的に予めほぐしておくことで、更なる効果が得られるであろう。
さてこの効果覿面なる術を受ければたちまち元気回復精力増強間違いなしである。かくなる上は張り切って出社し仕事もバリバリこなせて気になるあの子の見る目も変わる。今日の癒しは明日の幸せ。是非貴方もご一緒に。