生命の洗濯 徳島断崖旅行 (3日目)祖谷渓谷と宮川内谷川

最終3日目、泊まったあたりは祖谷渓谷という国定公園にもなっている山々なので、帰りにちょっと山道を走ってみた。目指すはホテルの人に詳しく教えてもらったひの字渓谷と小便小僧だ。
断崖絶壁にはりつくくねくね道をしばらく行くと、見えてくるのがひの字渓谷だ。

ひらがなの「ひ」のような形をしているからひの字渓谷。判りやすい。

更に進むと絶壁に突き出した岩棚の上に小便小僧が立っている。

下を覗くと足の裏がムズムズするような光景が広がっている。昔はここで立ちションができるか度胸試しのようなことをしたとかなんとか。確かにこれは出るものも止まる。

ひの字渓谷も小便小僧も駐車場等は特になく、待避所のように少し道幅が広くなったところに車を停めて、ささっと見るのである。交通量が少ないのでこれでなんとかなる。

こんな山道をブイブイ走っていたら、助手席で熊が怖い怖いと歯の根をガチガチいわせていた。安全運転だっちゅーに失敬な熊である。

またしばらく行くと、展望台がある。ここにはトイレがあると明記しておこう。家一軒ないような山深い1本道が続くので、途中でもよおすと大変なことになるのである。

剣山国定公園、展望台からの見晴らしである。いろんな意味ですっごい山だな。でも道沿いに電柱は立っている。
ここからは下り坂で、ぐいぐい降りていく。

川面が近くなってきたところにわんさか花が咲いているところがあったので車を降りてみたらダムだった。あとで調べたら三縄ダムだな。水力発電用のダムらしい。

道沿いに色とりどりの花が咲き乱れていて浄土感が凄かった。
人里に下りたらそのまま高速道路に乗って徳島市方面へひた走る。途中の土成ICで降りて、また山道をちょっと登ってたらいうどんを食べに行くのである。たらいうどんというのは江戸末期に宮川内谷のきこりが河原にかまどを築きうどんをゆで、川魚で出汁をとり食べたのがルーツとされているらしい。この道沿いに何件かかたまってお店がある。

そのうちの1件である新見屋さんに目星をつけて入る。

こんな階段を河岸に向かって降りていく。

途中の桜はちょうど見頃だ。

川っぷちにこんな風に座敷が並んでいる。澄んだ水が冷たそうで風が爽やかだ。

土曜の昼ごろだったせいか、ちょっと混んでいて少し待たされたあと、こんな座敷へ通された。うどん自体は食事篇を明日にまとめるとして、風情のある座敷でのんびり待っているのも悪くないなぁなどと、このときは浮かれたことを考えていたのだった。
お腹もくちくなって、さてちょっと早めにレンタカーを返してゆっくりお土産でも見るかと空港へ向かったら、だんだん篠つく雨が煙ってきた。

空港へ着いた頃にはすっかり濃霧である。放送を聞いていると飛行機が降りられず引き返していっているという。我々が乗る予定だった帰りの飛行機も早々に欠航が決まってしまった。

さてどうするといったところで、選択肢は限られている。もう一晩泊まるか頑張って陸路で帰るかだが、次の日は日曜だったので別段急ぐ理由もない。カウンターで聞いたら次の便に振り替えて天候の回復に賭けてみることも出来るというので、とりあえず待ってみたら飛んだ。

徳島空港に着いてから実に6時間ほどかかったが、なんとか羽田へ辿り着いた喜びの一枚である。
これにて一件落着、お疲れ様でした。