草津温泉:湯けむり紀行

無理押しの現場が終わるたびにとっているリフレッシュ休暇で、熊と草津温泉に行ってきた。ちなみに弊社にリフレッシュ休暇という制度はない。勝手に私がそう呼んでいるだけである。現場で休みが潰れたらその分の代休もしくは有給を取得せよというお達しはあり、あとは自主性に任せられるので勝手に連結してズラッと休むのである。日々のルーチンがある事務職と違い、職業的にひと山ナンボの世界なのでそういうものなのである。

行くぜ、草津

ちょっとフンパツして泊まったのは大阪屋さん。『せがい出し梁り造り』の建物が売りというのだが、せがいだしとはなんぞ。初めて聞いたな、と調べたら、柱から太い腕木を出して桁をのせ、この部分に張り出した棚をつくる技法なんだそうな。漢字では『船耷』と書き、もとは和船の舷の両側に張出した板部分のことで、櫓を漕いだり棹をさしたりするところからきているんだそうな。ほうほう。軒下に腕木が出てて、そこに上階が乗ってるのがそうか。
チェックインしたらこのお宿から歩いて2分で湯畑である。草津はこじんまりまとまっているので、どこまでも歩いていけて便利だな。

お湯が沸いている源泉。水面が小刻みに揺れているのがお分かりだろうか。下から湧き出しているのである。

湧いたお湯がずらりと並んだ木製の樋をどんどん流れていく。

最後は段差を流れ落ち、滝つぼに溜まっている。こうしてみると本当に湯量が豊富なんだなぁ。

すぐそばにも別の源泉があって、深い囲いになっていた。

これ全部温泉かぁ。凄いなー。
なんて感心するのはまだ早かった。そこからちょっと足を延ばして西の河原公園の露天風呂を目指して歩いたら、公園内のそこここで温泉が湧いていたのである。

温泉の湧きだす泉。

そして温泉の川。

さらに温泉の滝。
ここまでくると有難みもへったくれもなくなってくる。わー、すごーい。(棒
さてお目当ての露天風呂はこの豊富な湯量を生かして非常に広かった。これは凄い。東北出身で日帰り温泉にもそれなりに行っているが、この解放感はちょっと類を見ない。男女合わせて500平米あるんだそうな。泳げるどころの騒ぎではないだだっ広い湯船の真ん中で足を延ばして寄る辺なく浸かっていると、重さとか寒さとかそういう根本的なところから救われる気分になってくる。
しばらくぼんやりと過ごして、この日は宿へ帰ったのだった。


草津温泉 大阪屋【公式サイト】|湯畑近くの老舗温泉旅館