夏は燻製?

忙しくなって料理にエネルギーを傾ける暇がなくなっているが、相変わらず食べるのは好きである。おいしいものを食べたい。そんな根源的な欲求に忙しくなってからは”出来れば手間なく簡単に”が付け加えられた。いろいろと自家製はおいしい。でもその暇がないんだよな。

糠漬けも好きで、特に人参を浅めに漬けたものなどは香りも良くて、あれはいいものだ。しかし糠床をちゃんと面倒みられる自信がない。ときどき小動物を飼っていたはずなのに忙しさにかまけて何日も餌をあげていなかったことに気が付いて真っ青になる悪夢をみる。あれは自分の身体のことなのかね。それとも人間関係か。それはともかく、小動物でも糠床でもそんな悪夢が現実になりそうなのでおいそれと手は出せない。

そんなこんなで前からちょっと気になっていたのがみたけ食品の発酵ぬかどこである。

www.mitake-shokuhin.co.jpほうほう。パウチで場所も取らず冷蔵庫に入れておけばしばらくもつと。糠床をずっと維持しようと思ったら大変だけど、しばらく楽しんだら止めてまた欲しくなったら買い直せばいいのか。私のようなズボラには衛生的にもそのほうが安心だな。と思った矢先にこんなものが目に入った。

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‥‥燻製風味だと?

一時期、燻製に凝っていたことがあった。燻製用のチップを常備して、気が向けば無水鍋や中華鍋で燻していた。近年は忙しくて自家製はご無沙汰だが燻製はおいしい。

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これは買わねばなるまい。そして買った。 

最初は自分の中の糠漬けのイメージに引きずられて野菜を漬けていたのだが、ふと気が付いて卵を漬けてみた。するとこれがすこぶるおいしくて、なるほど脂っけがあったほうが合うのだな。それからチーズ、鶏むね肉、豚ロース塊と手当たり次第に漬け込んでいった。

燻製っぽさは強くはない。しかしなんだろう、塩分の奥にほんのりした香りと酸味があり脂の甘みを惹きたてる。3~400gの塊肉なら冷蔵庫で1週間も漬けておけば発酵ものなので肉も柔らかくなり、奥深い重層的な味がとてもおいしい。漬けた鶏むね肉に片栗粉をまぶして揚げ焼きにしたのもサイコーにおいしかった。

卵やチーズくらいならパウチ袋にそのまま突っ込んでしまうが、肉魚はさすがにラップの上に出して別途漬込み使用後は捨てている。食材と糠の間にキッチンペーパーを挟んでおくと後が楽である。甘味が足りないので肉魚の時はキッチンペーパーに砂糖をばら撒いてから食材を包んでいる。はちみつだと糠の乳酸菌が殺菌されちゃいそうな気がする。気がするだけかもしれないが。なんだか繰り返し使う糠床というより、漬込み用シーズニングのような感覚でどんどん使い捨てているが、いつまでも維持できないだろうし飽きっぽい私にはこれくらいで使い切ってしまえばちょうどいい気がする。

なんだかんだ楽しんだがよく考えたら人参の糠漬けは食べ損なっているので、次はプレーンタイプを買おうかな。