ダウンを洗ってみた

ふと気が付くとダウンジャケットの襟汚れが許容範囲を超えていた。シーズンの終わりに袖口と襟首は洗剤で叩いたりしていたのだが、あんまりガシガシやってそこだけカチカチに固まっても厭なのでやり方が手ぬるかったのだろう。ひと夏を越したら汚れが黄変して浮いてきた。色がアイボリーなので余計に目立つ。これ、ドライクリーニングに出しても落ちないだろうな。安かったとはいえダウンなのでそれなりに万単位はしたが、汚くて着られないのでは元も子もない。よし、ダメ元で洗うか。
腹に力を入れて意を決したのだが、検索してみると案外洗えるらしいことがわかった。あ、そうなの? 生地によってダメなこともあるが、ダウン自体は水洗いしちゃって大丈夫。そうか、水鳥の羽だもんな。柔軟剤は無しの方向で、キモは乾燥でガス焚きの乾燥機(低温設定)がいいのだとか。つまりコインランドリーか。襟汚れは中性洗剤で予洗い、ということは食器用洗剤でいいな。
手元の衣類の洗濯表示を確認し燦然と輝く自己責任のもとに、スポンジに食器用洗剤を泡立ててわっしわしと襟袖に塗りたくる。ついでに仕事で作業服の下に着こんでいる取り返しがつかないくらい汚くなっていたユニクロのウルトラダウンは洗剤を溶かした少なめのぬるま湯に漬けて全体を泡立ててしばらく漬け置き。それからコインランドリーに持ち込み、コースを洗濯+乾燥(低温)にして、さあいってみよう。これまたついでに事務所泊まり込み用のダウンシュラフもいっしょに放り込んだ。
暫時置き、乾燥が終わって静電気を帯びたダウンを取り出してみると、ふわっふわである。ヘタッていた襟がふかっと復活し表面はさらさら。全体的に明度が上がり襟袖も中性洗剤を塗り損ねたとこ以外はきれいになっている。あっ、これはいいものですね。明らかに効果があって、その日のうちに仕上がる手軽さもある。
洗濯過程までは家でやってもいいらしい。今回は洗濯も入れて1,600円だったけど乾燥だけなら400円くらいで済む。ダウンジャケットをクリーニングに出したら1着2,000円くらいすることを考えると、数枚まとめて放り込めるコインランドリーで数百円ならかなりいい。ダウンはクリーニング代が高いのもいろいろ躊躇する要因ではあったからな。極度の乾燥肌アトピーというのもあって、洗えない服は厭なのだ。保湿剤を全身くまなく塗るから当然肌に接する服にもつくし、不潔なものに接していると今度は皮膚が負ける。両方の意味で全部洗いたい。コートはさすがにクリーニングだけどウールのジャケットくらいまでなら裏返してネットに入れて洗濯機に放り込んでいる。洗濯表示は見るほうだが、ダウンは洗いにくそうな先入観があったのでここまで洗えるとは予想外だった。
こうなってくるとコインランドリーの大型洗濯乾燥機で羽毛布団が洗いたくなってきた。実際やってみるまでは億劫さが勝っていたが、やり方がわかってみると丸洗いで汚れものが一気にきれいになる気持ちよさ、実際にふかふかになって機能が復活する使用感のよさ、コインランドリーまで大きいものを持っていく手間を考えてもこれは費用対効果がいいですね。ちょっと堪えられないものがある。