仕事があって悩むなんて、生まれて初めてだ。

今回の東京遠征で三社受けたんだが、どれもがいい返事で却って驚いた。
初めに受けたところで決まりそうだったので、今までの癖でこれを逃しちゃなんねぇ、とこちらも思わせぶりな返事をしたのだが、実は最後に受けた会社に相当心を惹かれてしまっている。例のスカウトメールをくれたところだ。いや〜、自分がこんなにモテるとは予想外だった。じっくり探したほうがいいって、こういうことか。
この不況のさなか、無理に方向転換した私にとって、職探しは常に厳しかった。やる気だけあっても経験がない、資格もない。そんな年増女を雇ってくれる奇特な会社はなかなかなくて、面接を受けてもフラれて当り前、雇ってくれるというなら社風や経営状態なんか気にしていられなかった。
これが地方と首都圏の差なのか。
年齢がいき過ぎてて経歴も中途半端な女でも、仕事はある。こちらが選べるほど。
凄いぜ、東京。


私が今住んでいる地方では、保守的な空気が強い。基本的に女性は働いても雀の涙で愛想良く簡単な雑務をしていればいいのだ。ある程度以上稼ぐのは、それなりの大学を出て一流企業に勤めてバリバリ働く女性だけ。エリートコースから少しでも外れると、もう受け皿が極端に少ない。エリートかその他の二種類だけで、中間層が生息し難いのだ。
もちろん会社企業は個々違うが、本当にデキる人じゃなければ女性にはたいして給料を払わなくていい、という空気は厳然としてある。私より年下の男性で、年収は私の倍という人を知っている。同じ業界で働いていてこれだ。やる気もなくす。
なんだ、もっと早く上京していれば良かった、と正直思った。せめて定時制高校の社会人コースを終えた直後に思い切っていれば、と臍を噛むのだが、過去に”タラレバ”は不毛だな。


今回の上京は腰痛との戦いだった。
不動産屋も回るつもりだったので同居人も一緒に行ったのだが、彼に持ってもらえなかったら大荷物を抱えて立ち往生していたかもしれない。
時間がたってもさっぱり良くならないので、今日はぎっくり腰のときにお世話になった接骨院に行って、ボキゴキやられてきた。背中全体の筋肉がかなり突っ張っているとかで、「力を抜いて〜」と何度も言われたが、自分では力なんか入れてるつもりはないので抜けない。このところの緊張の連続で、ピキピキになったんだろうか。
それはつまり、ビビリ過ぎて腰痛になったってことか‥‥ビビリ症もここまでくると笑えない‥‥。