まだ調子に乗ると背中がつる

端境期にあちこち飛ばされて現場を渡り歩く日々。山場を超えたら今度は違う山場に放り込まれて、さっぱり落ち着かない。
そんな中、背中があまりにも痛かったので不安になり、仕事を抜け出して病院へ行ってきた。検査の結果、内臓には異常はなさそうとの見立てでひと安心である。胃がちょっと荒れているのと肩凝りが尋常じゃないだけということで、身体を温める処方の漢方薬を貰って帰ってきた。服んでみるとこれが効く。炎症を抑える作用もあるらしく、唇に出来たヘルペスもみるみるうちに治っていく。
漢方薬に即効性があるのは、以前もしばらく服用していたことがあるので知ってはいた。前のときは服むとドカンと体調や体感温度が変わったものだけど、今回のは穏やかながらじわじわと力が戻ってくるようで、バタバタ走り回りながら仕事をしていて、あれ、身体が普通に動く、とふと気がつくような具合だ。
背中の凝りも氷がゆっくり溶けるように、周囲から徐々に柔らかくなっていき、がっちり固まっていた関節がゆるゆると自由になり稼動範囲が拡がっていく。未だ凝りの芯は残っているものの、すっかりとろけるのも時間の問題だろう。痛みが和らいだことで気分もだいぶ前向きになり、内蔵には異常がなかった安心感と相俟ってガツガツ手間仕事をこなせるようになってきた。お陰で土曜も出勤である。それはともかく、やっぱりダルいのはダメね。
そうして凝りを薬で溶かしながら、背筋矯正ベルトで羽交い絞めになっている。ベルトのほうはまだ1時間も装着していると背中が痛くなってくるので、とてもつけたまま外に出ることは考えられない。しかし少しずつでも効果はあるようで、妙にぶよぶよと膨れていた下腹が、所定の場所に戻ったかのように収まりが良くなってきた気がする。こうしてみると身体は連動してバランスをとっているんだな。しかし良い姿勢が板につくまでは、時間はまだまだ掛かりそうだ。