編込み模様の編み図の作り方

模様編みの編み図をどうやって作っているかという話があったので、自分のやり方手順を載せてみる。
私はフォトショなど有料の画像処理ソフトは持っていない。GIMP2JTrimというフリーソフトを2種類、その機能に応じて使い分けている。今回はGIMP2でやってみる。基本操作法は親切な方がネット上に公開してくれているので、そちらを検索していただくとして、その機能を使ってどうするかというところから始めたいと思う。
例にコチラのあくのひみつけっしゃのおやだま(参考)にご登場いただき、暫定的に4色の毛糸を使って、65目の真四角の模様を作ると想定しよう。


GIMP2で画像を開いたら、色>トーンカーブで明るい部分はもっと明るく暗い部分はもっと暗くするなどして、写真の場合はコントラストを思い切って上げる。色>明るさとコントラストを使ってもいいと思う。その筋のプロや職人でもない限り、写真や絵画のような精妙な模様は作ってなどいられない。私程度では出来上がるのはドット絵のようなものなのだ。そこで微妙なニュアンスなんかは飛ばしてしまう。


背景は地糸なので、この場合は必要ない。何色でもいいが、模様になる色とは違う色で塗りつぶしてしまう。

背景と残したい部分の色や明度が違えば、あいまい選択や色指定なんかもできるのだが、今回のように似たような色味同士だと使えない。範囲選択+塗り潰しを使ったり、細かい部分は拡大表示して地道にブラシかなんかで塗りつぶす。縁取りは残してね。

こんな感じ。


色>ポスタリゼーションを使って色数を更に減らす。


ところで編物にはゲージ(スワッチともいう)*1というものがある。ここでゲージの比率を逆にして、画像に伸縮をかける。何故なら、最後にグリッドを表示するのだが、他のソフトではどうなのか知らないけども、とにかくGIMP2ではグリッドは10×10しか表示できないからである。
画像の拡大縮小を使って、ダイアログの鎖マークを外した状態にし、ヨコ目数×10ピクセルにするならば、編む人のゲージに従ってタテ段数を決め、×10ピクセルにしておく。今回はタテ1に対してヨコ1.2の比率にした。


フィルタ>ぼかし>ピクセル化という便利機能を使う。ピクセルの大きさは先ほど目数/段数×10にしたので幅も高さも「10」。


それからもう1回ポスタリゼージョンをかけて、色数を4色まで落とす。この色数は特に指定できるわけではないので、目視確認である。頑張れ。

あと、このままの色の毛糸で編まなきゃいけないわけじゃないので、むしろドギツイ配色で見分けがつきやすければいいと思う。


この画像に「グリッドを表示」すれば、グリッド線とピクセルの目がピッタリ合うはずである。いじましい計算の勝利である。これでおやだま模様の出来上がりである。

ところでグリッドは目安で表示するものなので、当然そのままでは印刷しても出てこない。PrintScreenでキャプチャして別途画像を保存し、また取り込んで必要な部分だけ「切り取り」で切り抜いて印刷して使うことになる。
有料ソフトを使えばもっと簡単に出来そうなものだが、基本的な考え方と作成方法はこんな感じ。あと、途中で試行錯誤しながら加減するので、実際にはこの手順一発で出来るわけではなかったりする。
編み込み模様ではなくて、編物の形状そのものが複雑な編み図を作りたい場合は、そうだなぁ、私ならCADを使うかな‥‥。JW_cadなら無料で配布されているので、根性のある方は試してみるのも一興かもしれない。

*1:例えば10目×10段編んだときに、タテヨコの比率が1×1になるかというと、人それぞれの癖があって大抵はならない。私もかなりタテに長くなってしまう。その比率を確認するために試し編みするのがゲージである。本当は新しい毛糸を使う度に毎回編んで、それを洗って乾かしてを三回繰り返すものらしいが、私はそこまでやったことはない。