東京タワーを降りてきた

私は田舎から出てきたおのぼりさんなので、引越してから東京名所にはちょこちょこ行っている。今回は東京タワーである。
東京タワーの高さは333m。展望台は地上から直通エレベーターで上れる地上120mの大展望台と、そこから乗り換えて更に約100m上ったところにある特別展望台(地上223m)とがある。

今回は上のエレベータの行列が50分待ちなどというおふざけなさった事態となっていたので、大展望台まででお茶を濁した。
地上からこれから登るところを見上げる。雨交じりの曇天である。

エレベーターのドアが開くとそこはもう地上120mの世界である。
東京タワーから望む建設中の新東京タワー東京スカイツリー)。

お約束のルックダウンウィンドウ。足の裏がむずむずする。

登るのは無理でも降りることはできるだろうと、帰りは階段を使ってみることにした。約600段、所要時間は8分ほどらしい。

中折れ階段を1往復降りると、すぐに赤く塗られた鉄階段になる。登り降りでかち合わないようになのか、入場料の管理の問題があるためか、互い違いに2本の階段がすれ違っている。それぞれ踊り場手前の蹴上げには段数が記してあった。

外は金網である。

下を覗いて見る。

階段の手すりの隙間から真下に見下ろしても、下まで見えない。

順調にてくてくと降りていく間、小学生くらいのお子さんを連れた家族連れ何組かとすれ違った。大人より子どもの方が登れちゃったりするんだろうな。お父さんお母さんは大変だなぁと他人事のように思いつつ、ちょうど中間くらいで外を眺めると、だいぶ周りのビルと高さが合ってきた。

思ったよりもあっさりと終点へ辿り着く。

地上の建物であるフットタウンは4階建てで、その屋上に降り立つことになる。出てみたらデパートの屋上のようなミニ遊園地であった。どん曇りだったせいか、妙に物哀しい。

ぱらぱらと雨が落ちてきた空を振り仰ぐと、鉄骨。

スカイツリーに電波塔としての役目を譲ったあとは、この鉄骨の維持管理も難しいのではないかといわれている東京タワーである。昭和33年に建てられ、長らく東京のシンボルであり続けた巨大建造物だが、この先いつまで芝公園の丘の上にあるだろうか。