圧力鍋で参鶏湯

熊が「おれの誕生日を祝え。ご馳走を作れ」と鼻息荒く主張するので、はて、何を作ろうかと考えたんである。ご馳走を期待されているからには、無駄にインパクトのあるものがいいな。目出度そうなのは尾頭付きだが、魚の丸焼きというのも芸がない。そこで丸鶏の料理にすることにしたんである。焼くにはオーブンの能力が足りないので、煮る。丸鶏を煮るといえば参鶏湯である。

参鶏湯材料

  • 若鶏−−−1羽
  • もち米−−−100g
  • 漢方食材−−−1セット
  • 栗−−−5個
  • 大蒜−−−3〜5片
  • 生姜−−−1片
  • 葱−−−1/2本

まずは阪東橋はよこはまばし商店街へ赴き、若鶏を一羽買ってくる。800円だったけど、なんだかんだ喋ってたら50円まけてくれたよ。

ついでに隣の店で350円の参鶏湯用のセットになった漢方材料も入手した。

パッケージの表記がすべてハングルだったので材料名はいっこも読めなかったのだが、朝鮮人参とナツメとあとたぶんウコギ、甘草、キバナオウギあたりが入っているんだろう。たぶん。

お店の人にどうやって使うのか訊いたら、「あらって なべにいれて ながいじかん にる」とのことだったので、ざぶざぶ水洗いして圧力鍋でしばらく水に浸けてみた。その間にもち米も研いでうるかしておく。

丸鶏もざぶざぶ水洗いし、キッチンペーパーがなかったのでティッシュで水気を拭いた。お尻の脂の塊を引きちぎり、腹の中にナツメや栗やもち米を7分目くらい詰める。

爪楊枝2本で閉じる。

鍋に材料を全部とひたるくらいの水を入れ、蓋をして加熱する。圧力鍋がしゅんしゅんいいだしたら中火にして約1時間。

1時間後、蓋を開けてみると

ありゃ、ちょっと焦げてる‥‥。
気を取り直し、水を足して再度煮立て、丸鶏を土鍋に移したあとにスープをザルで漉して土鍋に注ぐ。焦げたせいでちょっと茶色くなったが、見事に参鶏湯の完成である。

丸鶏を崩して取り皿に取ったら、岩塩と刻んだ葱をかけて食べるんである。
細かい骨があって食べ難いが、それを補って余りあるほど美味しかった! 薬味の葱に丸鶏のダシともち米のとろみが絡んで絶妙である。材料を調達するのが若干手間だが、豪快に煮込むだけなので見た目のインパクトに比して手間はさほどかからない。まさしく漢の料理、私向けの一品といえるだろう。
ともあれ、お誕生日おめでとう。