目覚まし

先日、インフルエンザの予防接種を受けてきた。会社で半額持ってくれるので、ホイホイと接種してもらうのである。それから身体が頑張って抗体を作っているらしく、いま注射したあとが若干痒い。予防注射のあとでだるくなる人もいるようだが、私も少し頭痛と脱力感があるようだ。
だからというのではないが、今朝はまたも大寝坊をかましたのだった。私は超がつくほど朝に弱い。弱いというも愚か、天敵と表現しても差し支えないだろう。しかしダメなんです弱いんですと言っていても社会人は務まらないので、普通のベルが鳴る目覚まし時計とPHSに入れた目覚ましソフトに加え、最近購入したiphoneのアラームとアプリのSleep Cycle alarm clockなどあわせて数種類の鳴り物をセットし、朝に光を浴びると体内時計が整うというので藁にもすがる思いで60Wのクリップライトに入り切りタイマーをかませて時間になると容赦なく顔を照らすようにしておくなど、各種時限装置を仕掛けている。隣の部屋の人はいい迷惑である。うちにはラジカセもコンポもテレビもないのが不幸中の幸いか。
このように万全の備えをしていても、ここのところ疲れが溜まっているのか光はおろか鳴り物のいくつかは鳴っていた記憶すらないことが増えてきた。いつも起きてすぐは凶悪に寝ぼけているので、起きたときの記憶がないことは珍しくない。
しかしである。今朝はいつもと少し違った。目が覚めて時間を確かめようと枕もとの時計を見ると、ない。‥‥ん? ない? それでようやく目が覚めて、起き上がったのだった。時計はいつも小さな台のようなものに乗せているので、落としたかと寝ぼけ眼であたりを探してみたのだが、床にもベッドの下にもマットの隙間にもどこにも見あたらない。
小さいタイプの目覚ましも売っているけども、私が持っているのはそんな頼りなくどこかに紛れて見失うような大きさのものではない。アナログで文字盤の直径が12cmくらいある、絵に描いたような普通の置き時計である。
はて。どこへ行ったのだろう。前の晩に目覚ましをセットした覚えがあるから、夜まではあったのは間違いない。寝ている間、もしくは寝起きに寝ぼけてどこかへやったのだ。以前、冷蔵庫からPHSが出てきたことがあるので、念のため冷蔵庫も開けてみたが入っていなかった。
しかし寝坊しているのにいつまでも時計を探しているわけにもいかない。帰ってから引き続き捜索することにして、とりあえずそのまま出勤して今に至る。帰ったら見つかるかなぁ。