関西旅行 その1:京都篇

関西方面へ熊と旅行に行ってきたんである。
1日目、朝から新幹線に乗って一路西へ。

目的地が山奥なのでこの日はほぼ移動日である。それでも京都で途中下車して4時間ほど昼食と観光を楽しむことにした。しかし事前に手が回らず京都のことをなにも調べていなかったので、新幹線の中でiphoneを駆使してお店と回る場所を決める。
それにしてもこの日はいい陽気で、かなり暑かった。三十三間堂まで歩くだけでアスファルトの照り返しに息も絶え絶えである。

三十三間堂は修学旅行で見たはずだが、やっぱりぜんぜん覚えていなかった。寺社仏閣に詳しいわけではないけど、さすがに高校生の頃よりはデータベースが増えているのでお堂も含めて面白く拝観できたのだった。

暑い中をガンガン歩き、次は六波羅蜜寺へ。口から仏様が出ている空也上人立像が目的だったのだが、写真で見慣れているはずなのに実物を目にしたら凄みに圧倒された。一瞥しただけでただでさえ現代と比べれば生きるには厳しい時代の、生の縁ギリギリに立った行者の姿が情感をもって迫ってくる。紙一重の怖さというのか、胃のあたりがぞわっとする。
ここで水分を補給して、時計と睨めっこしながら清水寺への坂道をどんどん登る。途中でくらくらして思い出したが、私は旅立つ直前まで風邪をひいていて腹を下していたのだった。しかし熊は容赦なく先を急ぐ。熊じゃない、あれは鬼だ、鬼がいる。と思ったり思わなかったりしつつ、清水寺の門をくぐると新緑とせせらぎに囲まれてほっとする。空気が緑に染まったようだ。



ここも急ぎ足でぐるっと回って、大急ぎでタクシーに乗り込み京都駅へ戻る。山陰本線の特急を乗り継いで、和田山へ。
お世話になったのは駅から歩いて10分くらいのところにある、有斐軒という小さな旅館である。

ここの女将さんが親切な方で、話していたら翌朝は目的地の近くまで送ってくださるというのでお言葉に甘えることにして、この日は泥のように眠ったのだった。