判っているのは、残業は続く。それだけだ。

唐突にふってわいた案件で必要が生じて、新しい法律の手引き書を蛍光ペン片手に200ページくらい読み込む羽目になった。通常残業を終えてから夜な夜な更なる残業である。脳みそにもパッチをダウンロードして簡単に適用できればいいのにとしみじみする。そうして読み込んだ200ページのうち、よくよく腑分けしてみると適用部分は5ページくらいだったりするのである。うん、血反吐を吐きながらしみじみ。
いわゆるお勉強というやつだが、昔は使えば使うほど頭脳が疾りだす感じがして嫌いじゃなかったのだけど、最近はなんだか脳みそを酷使すると口の中が鉄っぽくなる。過負荷でどっかの血管が切れてるんじゃなかろうか。あ、血反吐か。
取引先のお若い方は元気で仕事もデキてテキパキと対応してくれるのだが、こっちが物忘れやうっかりで迷惑ばかりかけてしまうので肩身が狭い。ホント、どーもすいません。いま何が必要で何を要求すればいいのかもよく判らない。すべてに霧がかかったように曖昧模糊とし、押しても引いてもぐにょぐにょと正体のないまま物事が推移していく。それでもぼんやりと傍観していると動きもしないので、確証のないまま闇雲に右のものを左に置いたりしながら、羊の群れを追い立てるように霧の中の影を追う。いったい何がどうなっていて、この先は何処に行きつくのか。先のことなど誰にも判らないのである。